2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体環境を模倣するマイクロカプセル培養技術と高速カプセルソーティング技術の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
26106724
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 郁郎 東北工業大学, 工学部, 講師 (90516311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲル粒子 / カプセルソーティング / 細胞内包型ゲルカプセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「シャーレから剥がすとダメージにより死んでしまう細胞」や「細胞の表現型が確定するまでに培養日数を要する細胞」をダメージレスソーティングする技術の開発を行う。具体的には、生体環境を模倣したマイクロカプセル内に細胞を培養し、目的の細胞をカプセルのままソーティングする技術の開発である。「ゲルカプセル内外に細胞数を制御して培養する技術」と「マイクロ流路型セルソーターチップ」を組み合わせて、細胞内包型カプセルの高速ソーティング技術を構築することを目的とする。初年度は、ゲルカプセル(ゲル粒子)の表面に細胞を培養する技術の開発およびマイクロ流路型チップを用いたゲル粒子の解析およびソーティング法の検討を行った。エマルション法で作製したコラーゲン粒子の表面にヒトiPS細胞由来ニューロン、グリア細胞を培養した結果、粒子表面への細胞接着および神経突起が粒子表面を覆うように伸長している様子が観察され、共焦点顕微鏡観察により、その立体構造やシナプス結合が確認された。また、1ヶ月以上のゲル粒子表面での培養を確認した。染色および非染色コラーゲンゲル粒子をマイクロ流路型チップでソーティングしたところ、50個/秒で85%以上の精度でゲル粒子をソーティングできることが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲル粒子のサイズをコントロールして大量に作製する方法を確立し、ゲル粒子表面での細胞培養を確認した。また、ゲル粒子のソーティング条件の検討により、マイクロ流路型チップを用いてゲル粒子を85%以上の精度でソーティングできることが確認された。ゲル表面に細胞培養したままソーティングする技術開発において、次の課題が明確になり、目処が立ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲル表面への培養技術は、培養中にゲル粒子同士が細胞を介して接着してしまう問題点がある。ゲル粒子表面へ細胞数を制御して培養したサンプルをゲル粒子が接着することなく大量に培養する手法を検討する。ゲル内に細胞培養する手法を検討し、ゲル内での細胞特性を評価する。また、ゲル粒子のソーティングスピード500個/秒を目指し、シース液等の検討を行う。マイクロプレートリーダーで用いられている細胞評価試薬を用いて、細胞内包型カプセルの高速解析およびソーティング法を構築する。
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