2014 Fiscal Year Annual Research Report
光分解造形法による灌流可能な血管ネットワークを有する三次元組織体の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
26106726
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
杉浦 慎治 独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 主任研究員 (10399496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組織工学 / ハイドロゲル / マイクロ流体デバイス / プロセス工学 / 培養技術 / 細胞工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らがこれまでに開発してきた「生体組織光分解造形法」と「圧力駆動型灌流培養マイクロ流体デバイス」を組み合わせ、血管様流路構造を有する三次元組織体をマイクロ流体デバイスに形成し、圧力駆動で培養液を灌流するシステムを構築することを目標としている。平成26年度は以下の検討を行った。 1) 光開裂性架橋剤を合成し、以降の研究に利用した。平成25年度まで使用していた活性エステル型の光開裂性架橋剤ではゲルの成形性の良い条件では細胞毒性が見受けられたため、新たにクリック架橋型の光開裂性架橋剤を合成した。 2) マイクロ流体デバイスの加工に関し、細胞を包埋したゲルを光分解造形法で分解し、マイクロ流体デバイス内に導入することのできる開閉型のマイクロチャンバー構造を搭載したマイクロ流体デバイスを加工した。3)マイクロ流体デバイス内で血管様流路構造を有する三次元組織の構築 3)マイクロ流体デバイス内で、三次元組織光分解造形法を用いて血管様マイクロ流路を含んだ三次元組織体を形成するための、ゲルの調整条件、光分解条件に関する検討を行い、適切な条件を見出した。一方、マイクロ流路の構造に関して修正すべき点が確認されたので、マイクロ流路の構造については、今後修正していく予定である。 4)二光子励起加工実験に関連し、ゲルの調整条件に関する予備実験を行い、二光子励起加工に適した低膨潤性ゲルを調製する調整条件を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の年次計画では、H26年度は、1) 光分解性架橋剤の合成、2) マイクロ流路チップの加工、3)マイクロ流路チップ上で血管様流路構造を有する三次元組織の構築、4)二光子励起加工、5)アルギン酸ゲルを利用した加工、を予定していた。1)および2)に関しては、実施する中で問題も発生したが、改善方法を見出して解決し、完了している。3)については見通しが立っている。4)についてもゲルの膨潤という問題が顕在化したが、ゲルの調整条件を検討する中で膨潤度の低いゲルを調整する条件を見出し、今後の検討に使用できると考えている。5)については検討を進めているが、細胞を表面に接着したファイバー状ゲルの分解が難しく、現時点では加工方法の確立の見通しが立っていない。以上の状況から、当初の予定よりやや遅れいていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は6) 設計パラメーターと肝機能の相関の検証、7) 異なる手法で構築した三次元組織との比較、を進める予定であった。これを進めるためには、上記1), 2), 3)を進めておく必要があり、これらについては上述のようにほぼ見通しが立っている。従って、6), 7)については当初の計画通りに進めていく。また、4)についてもH26年度に問題が発生していたが、解決法の見通しが立っているので、二光子励起による加工方法について、H27年度に引き続き検討していく予定である。5)については、顕在化している問題点の解決法の見通しは立っていないが、本研究の本質的な内容とは異なるため、H27年度は6),7)に焦点を絞って研究を進めていく。
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Research Products
(13 results)