2015 Fiscal Year Annual Research Report
二次元半導体ヘテロ構造の結晶成長と光機能開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Atomic Layer Systems |
Project/Area Number |
26107530
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮田 耕充 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80547555)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 原子層物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属ダイカルコゲナイドのヘテロ構造に関する結晶成長と物性解明に関する研究を進めてきた。1.結晶成長に関しては、これまで開発してきた高温での化学気相成長かつグラファイトや窒化ホウ素のへき開面を成長基板として利用する手法に加え、二段階の気相成長を行うことで、様々なWS2/MoS2系のヘテロ構造の作製に成功してきた。具体的に作製できた試料は、単層のWS2/Mo1-xWxS2やMoS2/WS2の面内接合型のヘテロ構造、単層MoS2/WS2の積層型のヘテロ構造、面内および積層の複合構造である二層のMoS2/WS2複合ヘテロ構造などになる。2.上記試料の電子状態や光学特性の解明を行ってきた。電子状態に関しては、導電性走査プローブ顕微鏡観察や低温の走査トンネル分光によって、ヘテロ界面での電子構造の解明を進めてきた。特に単層のWS2/Mo1-xWxS2系ではタイプ2と呼ばれる半導体ヘテロ接合が実現していることを確認した。また、二層系のヘテロ接合においては、価電子帯と伝導帯が界面近傍で高エネルギー側にシフトする特異な状態が実現していることを見出している。光学特性に関しては、特にMoS2/WS2積層構造を窒化ホウ素上に成長させることで、近赤外領域にシャープな発光ピークを初めて観測した。ピークシフトの温度依存やバンド計算の結果との比較より、これらのピークは層間励起子に関連することが示唆されている。上記の成果は、様々な半導体TMDCの高品質ヘテロ構造の実現によって初めて得られたものであり、これら原子層物質の光・電子デバイス応用に向けた重要な基礎的知見を与えると期待される。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|