2014 Fiscal Year Annual Research Report
実験的に抽出された分子反応パラメータを導入したマラリア感染赤血球モデルの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
26107703
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 陽介 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (60431524)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 計算力学 / リガンドーレセプタ結合 / 細胞力学 / マラリア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,マラリア感染赤血球の計算力学モデルを開発した.このモデルでは,細胞膜の固体力学を有限要素法,血漿・細胞質の流体力学を格子ボルツマン法で計算し,Immersed boundary 法を用いて連立する.リガンドーレセプタ結合の確率的プロセスをBellモデルに基づくモンテカルロ法で計算し,大規模なパラメトリック計算を可能にするためGPU計算に実装している.また,単体マラリア感染赤血球挙動をより高精度に計算する手法として,有限要素法,境界要素法,およびモンテカルロ法の連立計算手法も同様に開発した. マラリア感染赤血球の壁面上の回転運動について,離脱頻度やせん断速度を中心としたパラメトリック計算を実施し,パラメータと細胞挙動の関係を解析した.例えば生理学的なせん断速度の流れ場において,マラリア感染赤血球の回転速度はリガンドーレセプタ結合の離脱頻度にほぼ比例し,離脱頻度 1 [1/s] 程度以上で壁面上を回転運動し,0.001 [1/s] でほとんど定常接着となる結果が得られた.実験的に計測されたCD36の離脱頻度は 0.001 [1/s] 程度であり,血管壁に定常接着することが報告されているが,これをよく再現することができた. この計算力学モデルを応用し,ロゼット形成の計算力学モデルを構築した.上記と同様のパラメトリック計算を実施し,せん断流れ中のロゼット形成では非常に強固な接着となることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に実施予定であったロゼット形成の計算力学モデルの開発も完了しており,単体の回転運動,ロゼット形成,および微小血管内の赤血球流動の全てのケースで大規模パラメトリック計算を既に開始している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり,単体の回転運動,ロゼット形成,および微小血管内の赤血球流動の全てのケースで大規模パラメトリック計算を実施し,分子反応パラメータと細胞運動の関係を明らかにする.
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Research Products
(3 results)