2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己集合型ナノキャリアの創製
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
26107710
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中田 栄司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 講師 (70467827)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自己集合化ナノプローブ / フッ素イオン / ニトロ還元酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
・合理的設計に基づいたナノプローブの創製 我々の自己集合化ナノプローブは、導入する疎水性保護基の疎水性置換基定数を指標とすることで、自己集合状態と分散状態をあらかじめ推測することができる。この特徴を利用することで、合理的設計指針に基づいたナノプローブの創製が可能となる。本年度はその応用例として、フッ素イオンに応答して脱離するシリル基を保護基として採用し、種々のシリル基の中から疎水性置換基定数を指標として、TBDPSを選定した(図1)。設計したSNARF-OTBDPSは、期待した通り、水溶液中で自己集合体を形成していた。特筆すべき点として、自己集合状態となっているため、本来加水分解しやすいシリル基が水溶液中で安定に存在していることが明らかとなった。また、そのイオン選択性を評価したところ、期待通り、フッ素イオンに対して選択的に応答し、蛍光が回復することが明らかとなった。このことから、我々の疎水性置換基定数を指標とした自己集合化ナノプローブの合理的設計の有用性を示すことに成功した。 ・ニトロ還元酵素応答型ナノプローブの機能評価 これまでに開発したニトロ還元酵素をトリガーとしたナノプローブは、その反応性が低く、細胞内での機能評価において長時間の観察を要するという問題があった。そこで構造を最適化することで、自己集合性は保持しつつもその反応性を大幅に改善することに成功し、大腸菌由来の内在性ニトロ還元酵素の検出を評価し、良好な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書では、外部刺激応答性ナノキャリアの候補として、ニトロ還元酵素を挙げたが、その応答性の改良に関しては、良好な結果を得ており、27年度の予定であった細胞内評価まで着手できている。また、同じく27年度評価予定であった光応答性ナノキャリアについても一部着手できている。さらには、他の外部刺激として、新たにフッ素イオンについて評価し、外部発表までおこなえた点で、予定以上に進行していると考えている。一方で、26年度評価予定であった薬剤の内包の評価に関しては、現在進行中であり、完了できていない部分があるため、全体としては、「おおむね、順調に進行している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤を内包した蛍光性ナノキャリアの創製とその細胞内の評価について引き続き27年度に遂行していく。
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