2014 Fiscal Year Annual Research Report
光増感剤修飾分子を用いたPCI の分子科学
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
26107711
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大槻 高史 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80321735)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核酸 / RNA / エンドソーム / 光増感剤 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞に投与した際エンドソームに集積する生体分子について、光と光増感剤を用いてエンドソームから脱出させる方法(photochemical internalization; PCI)が知られている。本研究は、PCI法における光照射後のエンドソーム脱出のメカニズムを探ることを目的とする。これまでに光増感剤の性質として光照射時の一重項酸素(1O2)の生成が重要であることが分かってきた。本年度は、このように1O2の寄与が大きいことを更に裏付ける結果を得た。また、光照射後の細胞観察により、エンドソームの膜にプロトンが通り抜けるような小さな隙間が生じた後に膜の破裂が起こるような現象を確認した。エンドソーム膜破壊へのコレステロールの関与が示唆された。また、光照射後の細胞観察により、エンドソームの膜にプロトンが通り抜けるような小さな隙間が生じた後に膜の破裂が起こるような現象を確認した。十数マイクロ秒の1O2の寿命と比べると、かなり長い時間(数秒から百数十秒)かけてエンドソーム破壊が起こることから、1O2が最初に起こす反応は膜破壊を即座に起こしうるものではないと推察される。1O2と最初に反応した何らかの物質はじわじわ時間をかけて膜を不安定化させるか、または別の物質との反応を経由して膜不安定化に関わるのだと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では光増感剤修飾分子のエンドソーム脱出効率に関係の深い(光増感剤部分の)光応答パラメータを探ることを本年度の目標としていた。その光応答パラメータに関しては、1O2生成量子収率の関係が深いことが明らかになってきた。そのうえで、1O2生成以降のエンドソーム破壊メカニズムの解明に着手しはじめ、コレステロールの関与の可能性などが分かってきた。このことから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1O2生成以降のエンドソーム破壊メカニズムの解明をさらに続ける。すなわち、エンドソーム破壊時にエンドソーム膜のどの分子が関与しているのかを阻害剤を用いた実験等により調べ、エンドソーム破壊時に膜で起きる現象をその動画から詳細解明する。また、ペプチドや蛋白質の末端に光増感剤を付加する際の設計指針の確立に取り組む。また、少し視点を変えてエンドソーム以外に局在する光応答分子を作製してそれにより光照射後細胞内で何が起こるかも調べる。
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[Journal Article] Intracellular delivery of a peptide cargo by a cell-penetrating peptide via leucine-zippers does not affect the function of cargo2015
Author(s)
Hakata, Y. Tsuchiya, S., Michiue, H., Ohtsuki, T., Matsui, H., Miyazawa M. and Kitamatsu, M.
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Journal Title
Chemical Communications
Volume: 51
Pages: 413-416
DOI
Peer Reviewed
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