2014 Fiscal Year Annual Research Report
マルチターン飛行時間型質量分析計による隕石中に存在する有機物の高精度測定
Publicly Offered Research
Project Area | Evolution of molecules in space: from interstellar clouds to proto-planetary nebulae |
Project/Area Number |
26108509
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 順 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90452424)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アストロバイオロジー / イメージング質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、投影型MALDIイメージング質量分析装置を用いた計測によりマーチソン隕石に含まれている有機物の種類と空間分布の情報を得ることを目的としている。今年度の研究では、(1)GCMSによる含有物質の網羅的解析および(2)投影型イメージング質量分析による計測を行った。 GCMSによる含有物質の網羅的解析では、粉末状にしたマーチソン隕石より含有物質を溶媒に抽出しGCMSで測定した。有機物と考えられるいくつかのピークを確認し、ライブラリのデータベースと照合することで2種類の物質種を同定した。同定できた数が少なかったのは、解析に用いたライブラリがメタボロミクス用で生体の代謝物を対象としたものであったためと考えられる。 投影型イメージング質量分析については、マーチソン隕石の小片の断面を観測した。マーチソン隕石はもろい形質であり薄片にするのが難しい。そこで、サンプルプレートにあらかじめサンプル小片と同じ形状の凹みを切削加工して、そこにサンプル小片をはめ込み硬化性樹脂で固定した。その後、サンプルの凸部をサンプルプレート面と平滑になるように研磨した。このサンプルをレーザー照射によりイオン化しイメージング質量分析を行った。イオン化しやすいアルカリ金属のナトリウムおよびカリウムと、いくつかの有機物と考えられる物質の分布像が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、GCMSによる分析とイメージング質量分析による計測が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のGCMSによる測定ではわずかな含有物質しか同定できなかったため、より広範な物質をカバーしたライブラリを用いた解析を試みる。またLCなどGC以外のクロマト技術を用いた測定も検討する。 イメージング質量分析については、検出された有機物についてGCMSの計測結果も合わせて物質種の同定を行う。またより多くの有機物を効率よくイオン化するためにマトリックスを用いたMALDIイオン化を試みる。これにより得られた物質分布について、マーチソン隕石の構造や組成との相関関係について検討する。
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