2014 Fiscal Year Annual Research Report
高精度理論計算による星間雲分子の紫外線スペクトル、解離反応機構および同位体効果
Publicly Offered Research
Project Area | Evolution of molecules in space: from interstellar clouds to proto-planetary nebulae |
Project/Area Number |
26108511
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 星間雲分子 / 紫外線スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、星間雲から原始惑星系までの進化過程における分子の安定性を目的とし、特に紫外線によって光解離反応および同位体濃縮の定量化を高精度理論計算のもとで行う。半古典凍結ガウス波束発展法(SC-FGP)に基づく非断熱遷移(NT)を考慮したSC-FGP-NT法を用いることで星間雲に関連する分子紫外線吸収スペクトルを調べる。 26年度にはコード開発を行い、2原子分子用のカードでドップラー幅を考慮できるようにしたことで紫外線吸収スペクトルの温度依存性を調べられるようになった。現在、このコードを用い、SO、CO及びO2分子に関して計算を行っている段階であり、結果は27年度に発表をする予定である。また、ZN-TSH方法によるH2SO4と紫外線における光解離反応の計算によってこれまで未確認の生成物を発見し、結果を論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ZN-TSHにおける計算方法では信頼性の高い結果を得るため、繰り返し計算を行う必要がある。これらの計算は長い時間がかかるので研究計画の進行は若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、これまで開発してきたコードを実行し、SO,COとO2分子の紫外線スペクトルと温度及び同位体効果を調べる。また氷結晶中に紫外線を浴びたSO2分子の解離ダイナミックスについて現在、ZN-TSH計算方法を用いて計算中であり、27年度中に結果を公表する予定である。
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Research Products
(1 results)