2014 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスキャピラリーによる超低エミッタンス超低速ミュオンの生成
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier of Materials, Life and Elementary Particle Science Explored by Ultra Slow Muon Microscope |
Project/Area Number |
26108703
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関場 大一郎 筑波大学, 数理物質系, 講師 (20396807)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ガラスキャピラリー / ミュオン |
Outline of Annual Research Achievements |
テーパー状のガラスキャピラリーに100 keV程度のプロトンおよびHeイオンを透過させ、透過率や透過後のエミッタンスとイオンの運動量、運動エネルギーの関係を調べるためのセットアップを行った。この研究により、ミュオンをガラスキャピラリーに入射した際の振る舞いをシミュレートできると考えられる。筑波大学研究基盤総合センター応用加速器部門にある1 MVタンデトロン加速器のDコースにキャピラリー実験用のチェンバー群を設置した。既存のラザフォード散乱(RBS)、反跳原子検出法(ERDA)のチェンバーと共用できるようにファラデーカップの移動およびスリット系、ビーム電流モニター用のチョッパーユニットの新設を行った。キャピラリーは5軸(3方向の並進および2軸の回転)マニピュレータに5本設置できるようにキャピラリーホルダーを作成した。キャピラリーに入射するビームの径とエミッタンスをよく定義することが重要であることが過去の研究から分かっている。そのため、新設したスリット系のさらに1 m上流にスリット系を増設することが望ましいが、他のビームラインと干渉するため難しい。そこで数種類(φ0.5~2 mm程度)のアパーチャーを挿入し、エミッタンスを制御できるような機構を設計した。機構はxyステージとz方向の直線導入器からなる。また、新設した5軸マニピュレータの長さに合うように既存のRBS-ERDAチェンバーに追加工を施し、他の実験と共用できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は東京大学の加速器施設MALTに設置してある500 keV小型加速器を用いる予定であったが、組織改編や出張の手間を省くことを考慮し、筑波大学内に実験装置を新規に設置する方向に予定を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでキャピラリーの形状を数値化して定量的に透過率を議論した研究の報告はない。しかしキャピラリーは一様な形状をしているわけではないので入射ビームがキャピラリーのどの部分に衝突するかで透過率は非線形に変化する。そこで作成したキャピラリーの写真から外形と内側形状を数値化する簡易的なソフトウエアをMathematicaを用いて作成する。そのうえでこれまでに設置した実験装置を用いて実験を行い、得られた透過率、エミッタンスのデータを定量的に説明するモデルを構築する。
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[Journal Article] Multi-Phonon Excitations in Fe 2p RIXS on Mg2FeH62015
Author(s)
Keisuke Kurita, Daiichiro Sekiba, Isao Harayama, Kenta Chito, Yoshihisa Harada, Hisao Kiuchi, Masaharu Oshima, Shigeyuki Takagi, Motoaki Matsuo, Ryutaro Sato, Katsutoshi Aoki, and Shin-ichi Orimo
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Journal Title
Journal of The Physical Society of Japan
Volume: 84
Pages: 043201-1-3
Peer Reviewed