2014 Fiscal Year Annual Research Report
中性子星の磁場構造を解き明かすX線偏光イメージャーの開発研究
Publicly Offered Research
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
26109503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平賀 純子 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00446527)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2016-03-31
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Keywords | X線 / 撮像分光器 / SOI |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、繰り上がり採択であったため採択決定が6月末となったが、決定後、速やかにハードウェアを入手する手続きをとった。SOI素子を駆動するためのデジタル回路(SEABAS)、アナログ回路を購入した。搭載SOI素子としては、X線天文学応用を念頭に、京都大学とKEKがノイズの低減を主眼において開発したXRPIX2b素子等を導入した。 初期実験であることを考慮し、実績ある方面照射型(FI)パッケージング品について、有感層暑が異なる二種類の素子(CZ=250um, FZ=500um)を購入し、9月末より東大実験室で立ち上げを開始した。基本動作試験に先立ち、先駆研究グループである京都大学に出向き、情報共有を実施した。 基本動作検証としてまず、常温動作によるデータ取得機能の検証を試み、CZ素子、FZ素子ともにバイアス電圧5VでX線イベントを検出していることを確認した。続いて、本予算で購入した-80度まで冷却可能な小型の恒温槽にシステムをセットアップし、温度を下げたことによるリーク電流の低減効果を確認するとともに、低リーク電流環境のもとで、バイアス電圧を徐々に上げていき、検出効率の増加傾向を確認する実験を行った。結果、本年度導入したSOI素子においては、-20度でバイアス電圧200Vでも0.4nA以下と非常にリーク電流が小さいことがわかった。これは、将来の衛星搭載機器としての設計を考えた際に、ごく低温での運用が必要ないことを意味しており、意義深い。スペクトル性能としては、フレーム読み出しで17keVのX線に対してエネルギー分解能が約0.7keVで駆動させることができ、イベント駆動型の読み出しにも成功した。 SOIの駆動システム立ち上げと駆動方法の習得、実績あるSOI素子を用いた基礎性能測定を研究初年度の目標としていたので、予定通り達成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい検出器の立ち上げフェーズであることを踏まえ、大学院修士の学生に参加してもらって、研究を進めたことがスムーズに進んだ要因であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が他大学に異動したことによる雑務が生じるが、前任大学との協力を継続しつつ、異動先で新たなシステム構築を行う。 また、昨年度よりASICON株式会社と打ち合わせを重ねてきた高アスペクト比の金コリメータを購入し、SOI素子内で生成する電荷雲形状を世界で初めて実測するための実験を進める。
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