2014 Fiscal Year Annual Research Report
XRPIXの位置分解能向上とG2格子不要のX線タルボ干渉計の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
26109506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林田 清 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30222227)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | X線位相コントラスト / X線タルボ干渉計 / SOI検出器 / X線画像検出器 / X線干渉 / 冷却機構 / SOIPIX / XRPIX |
Outline of Annual Research Achievements |
生体など軽元素を含む試料内部の微細構造をさぐるために、様々なX線位相コントラスト撮像法が提案されてきた。その中で、タルボ効果を利用するX線タルボ干渉計は実用化の最前線にある。タルボ効果は回折格子の自己像が、格子から周期的な距離にできる干渉現象である。X線タルボ干渉計は、試料を格子の前において生じる自己像の乱れから、試料の位相コントラスト像を得るのが原理である。X線源、回折格子、そしてX線画像検出器という単純な構成で実現できる点が大きなメリットで、基礎開発のみならず実用化もはじまっている。この際、一般的に使用される回折格子のピッチは数マイクロメートルで、数10マイクロメートルサイズのX線画像検出器では自己像を撮影できない。そのため、検出器の前に、さらに1枚の格子(G2格子と呼ばれる)をおき、モアレ像から像合成する手法が一般的である。 本研究では、マイクロフォーカスX線源と1枚の回折格子、そして、X線画像検出器としてXRPIXを用いる構成で、G2格子なしのX線タルボ干渉計を実現することを目指す。これを実現する際にカギになるのが、個々のX線光子を計測することで、X線入射位置をピクセルサイズより小さな精度で求めることである。X線エネルギーの測定も同時に行うため、光源によらず、単色化を図れる点もメリットとなる。以上の2点は、X線CCDでも可能であるが、パイルアップを避けるためにX線強度をおさえる必要がでてくる。その点、各ピクセルに読み出し回路をもつ、XRPIXのような検出器が最適である。 本年度の研究では、XRPIX素子(XRPIX2b)とその周辺回路の導入からはじめ、室温動作を確認したあと、冷却カメラを開発した。素子を-40度以下まで冷却でんきるカメラを開発し、外部から照射したX線を検出できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、年度内にXRPIX冷却カメラの動作、マイクロフォーカスX線源を用いた実験まで完了する予定であったが、実際には、年度を繰り越して実験を継続した。XRPIX素子の常温動作は比較的スムースに実現できた。しかし、XRPIX素子を真空装置中に、デジタル回路(SEABAS基板)を真空層外に設置する構成を実現することが、他の研究班含めて初めての試みで、延長基板設計などに時間がかかった。また、XRPIXの動作モードのうち、フレームモードの動作とデータ取得は比較的問題なく実施できたが、イベント駆動モードでは、性能上の問題もあり、さらにデータ取得ソフトも改良する必要があり、この点でも時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の計画が繰り越しで期間延長したものの、XRPIX冷却カメラとして動作する状態になり、また、マイクロフォーカスX線源の立ち上げも完了している。今後、両者を組み合わせた撮影システムの構築、試験を推進する。X線タルボ干渉計としての様々な調整をする期間が短くなったもののの、回折格子を導入して干渉縞を得ることを具体的な目標に、次年度の研究をすすめる。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Suzaku discovery of Fe K-shell line from the O-rich SNR G292.0+1.82014
Author(s)
Kamitsukasa, Fumiyoshi; Koyama, Katsuji; Tsunemi, Hiroshi; Hayashida, Kiyoshi; Nakajima, Hiroshi; Takahashi, Hiroaki; Ueda, Shutaro; Mori, Koji; Katsuda, Satoru; Uchida, Hiroyuki
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Journal Title
Publ. Astron. Soc. Japan
Volume: 66
Pages: id.648 pp
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] X-ray gamma-ray polarimetry small satellite PolariS2014
Author(s)
Hayashida, Kiyoshi; Yonetoku, Daisuke; Gunji, Shuichi; Tamagawa, Toru; Mihara, Tatehiro; Mizuno, Tsunefumi; Takahashi, Hiromitsu; Dotani, Tadayasu; Kubo, Hidetoshi; Yatsu, Yoichi; Tokanai, Fuyuku; Nakamori, Takeshi; Shibata, Shinpei; Hayato, Asami; Furuzawa, Akihiro; Kishimoto, Yuji; et al.
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Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 9144
Pages: 91440K 10pp
DOI
Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Soft X-ray Imager (SXI) onboard ASTRO-H2014
Author(s)
Hayashida, Kiyoshi; Tsunemi, Hiroshi; Tsuru, Takeshi G.; Dotani, Tadayasu; Nakajima, Hiroshi; Anabuki, Naohisa; Nagino, Ryo; Ueda, Shutaro; Tanaka, Takaaki; Uchida, Hiroyuki; Nobukawa, Masayoshi; Ozaki, Masayuki; Natsukari, Chikara; Hiraga, Junko S.; Tomida, Hiroshi; Kimura, Masashi; Kohmura, Tadayoshi; et al.
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Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 9144
Pages: 914429 8pp.
DOI
Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Use of a charge-injection technique to improve performance of the Soft X-ray Imager aboard ASTRO-H2014
Author(s)
Kumiko Kawabata Nobukawa, Takeshi Go Tsuru, Masayoshi Nobukawa, Takaaki Tanaka, Hiroyuki Uchida, Hiroshi Tsunemi, Kiyoshi Hayashida, Naohisa Anabuki, Hiroshi Nakajima, Ryo Nagino, Tadayasu Dotani, Masanobu Ozaki, Chikara Natsukari, Hiroshi Tomida, Masashi Kimura, Makoto Yamauchi, Koji Mori, et al.
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Journal Title
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A
Volume: 765
Pages: 269-274
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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