2014 Fiscal Year Annual Research Report
分子アーキテクトニクスを志向した水素終端化シリコン表面の新規化学修飾法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Architectonics: Orchestration of Single Molecules for Novel Function |
Project/Area Number |
26110506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野井 慶徳 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20342636)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水素終端化シリコン基板 / 固定化 / 触媒 / ケイ素-炭素結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、環状のシロール骨格をシリコン表面で形成することを目的とし、水素終端化Si(100)表面とジヨードビアリール化合物をPd触媒を用いて反応させ、表面上の構造について解析を行った。ジヨードビアリール化合物がSi(100)表面に固定化されるか検討するために、dimethyl 2,2’-diiodobiphenyl-4,4’-dicarboxylateを水素終端化Si(100)表面に反応させた。この化合物は官能基にエステルを持つため、IRを用いた存在の検出が比較的容易である。反応を行った基板の表面IRスペクトルの結果を次に示す。1430 cm-1にシリコン原子―アリール基に由来するピーク、1597 cm-1にC=C二重結合に由来するピーク、1718 cm-1 にエステルのC=O二重結合に由来するピークが観測された。これらのピークが観測されたことから、Si(100)表面上に固定化されたことが確認できた。次に、ジヨードビアリール化合物がSi(100)表面に化学的に固定化されているか検討するために、2,2’-diiodobiphenylの固定化と、X線光電子分光(XPS)を用いた解析を行った。ピークフィッティングを行ったXPSスペクトルを次項に示す。シリコン基板に由来するSi-Si結合より高エネルギー側に、シリコン基板とアリール基のSi-C結合に由来するSi-C結合のピークが観測された。Si-Si結合に対するSi-C結合のエネルギーシフト値は2p1/2ピーク、2p3/2ピークともに0.25 eVであり、文献値(0.27 eV)と概ね合致していた。このことから、Si-C共有結合を介してSi(100)基板に化学的に結合されたことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自分たちの研究ばかりでなく、他研究者との共同研究を通して、Si(111), Si(100)表面上へのチオフェン類の固定化、微小パターンシリコン電極への4-ヨードフェニルフェロセンの固定化を行い、成果も出つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、共同研究を推進し、ナノギャップ電極を作製し、Pd触媒を用いたアリール化法により架橋配位子を固定化することで、架橋配位子の電気特性を調査する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Synthesis, Characterization, and Physical Properties of Oligo(1-(N,N-dimethylamino)pyrrole)s and Their Doped Forms, Precursors of Candidates for Molecular Flat-band Ferromagnets2015
Author(s)
Y. Yamanoi, K. Takahashi, T. Hamada, N. Ohshima, M. Kurashina, Y. Hattori, T. Kusamoto, R. Sakamoto, M. Miyachi, and H. Nishihara
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Journal Title
Journal of Materials Chemistry C
Volume: 3
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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