2014 Fiscal Year Annual Research Report
α1,3フコース転移酵素Fut10による幹細胞の未分化性維持機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering sugar chain-based signals regulating integrative neuronal functions |
Project/Area Number |
26110710
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
等 誠司 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70300895)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 未分化性 / LewisX抗原 / N結合型糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経幹細胞は、発達期の脳において全ての神経細胞・グリア細胞を産生するのみならず、成体脳にも存在して脳機能に重要な役割を果たす。しかし、神経幹細胞が終生に亙って未分化性を維持し、かつ適切な時期に細胞を分化させて神経ネットワークを構築する分子機構には、不明な点が多い。本研究は、幹細胞の未分化性に密接に係わる糖鎖であるLex抗原に注目する。これまで、脳におけるLex抗原を生合成する酵素はFut9だと考えられていたが、Fut9ノックアウトマウスがほぼ正常に発生・発達し、脳にも大きな異常が観察されないことが大きな矛盾点であった。研究代表者は、独自の視点から、神経幹細胞特異的に発現する新規のα1,3-フコース転移酵素Fut10を同定し、幹細胞の未分化性維持に働いていることを明らかにしてきた。本研究では、Fut10の基質特異性などの酵素学的解析や、Fut10が生合成するLex抗原を含有する糖鎖の同定を行うことで、神経幹細胞の未分化性維持のメカニズムを明らかにする。 平成26年度は、ES細胞や神経幹細胞でFut10遺伝子を過剰発現/機能喪失させ、その表現型を解析した。その結果、Fut10遺伝子の過剰発現で未分化性が亢進し、ノックダウンでは逆に分化が促進されることを明らかにした。平行して、Fut10遺伝子のノックアウトマウスの作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ES細胞や神経幹細胞におけるFut10遺伝子の機能解析を行うとともに、Fut10が生合成するLex抗原含有N結合型糖鎖および、それをもつ糖タンパク質の解析が進行中である。加えて、Fut10遺伝子ノックアウトマウス作製のためのターゲッティングベクターを構築しており、研究は計画通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
Fut10遺伝子の神経発生における機能を詳しく解析するためには、Fut10遺伝子ノックアウトマウスもしくは神経幹細胞特異的なコンディッショナルノックアウトマウスの解析が是非必要であり、両方に対応できるマウスの作製を進める。
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[Journal Article] Mechanisms for interferon-α-induced depression and neural stem cell dysfunction.2014
Author(s)
Zheng LS, Hitoshi S, Kaneko N, Takao K, Miyakawa T, Tanaka Y, Xia H, Kalinke U, Kudo K, Kanba S, Ikenaka K, Sawamoto K
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 3
Pages: 73-84
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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