2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジストログリカン糖鎖を形成する酵素複合体の同定とその作動メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering sugar chain-based signals regulating integrative neuronal functions |
Project/Area Number |
26110716
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢木 宏和 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (70565423)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | α-dystroglycan / ラミニン結合性糖鎖 / 酵素複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ラミニン結合性糖鎖の構築に関わる酵素群が複合体を形成しているという着想のもと、ラミニン結合性糖鎖の構造の同定および本糖鎖の形成機構の分子基盤の解明を目指すものである。 本年度は、HEK293T細胞を用いて発現させたFc融合αジストログリカンを対象にラミニン結合性糖鎖の分析を行った。その結果、αジストログリカンに特異的なラミニン結合性糖鎖の還元末端構造にあたるリン酸化3糖構造が検出できたことに加えて、本リン酸基にグルクロン酸が連結している可能性を見出した。 一方で、これまでにジストログリカノパチーの原因遺伝子として機能が未知な遺伝子産物が未だ存在する。そこで、ゲノム編集技術により、原因遺伝子産物であるFKTN、FKRP、TMEM5のノックアウト細胞を樹立した。これら3種類のノックアウト細胞は、いづれもラミニン結合性糖鎖が欠損していた。今後はこれら細胞を利用して、原因遺伝子産物の機能解析を行う予定である。また、TMEM5ノックアウト細胞に対して、mycタグを融合させたTMEM5を導入することで、数種類のTMEM5結合タンパク質を見出すことができていることから、ラミニン結合性糖鎖の生合成に関わる酵素群が複合体を形成している可能性を示すことができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を通じて、ラミニン結合性糖鎖の還元末端に位置するリン酸化3糖構造の非還元末端側に結合している糖残基を見出すことに成功した。更には、ジストログリカノパチーの原因遺伝子が複合体を形成していることを明らかにした。以上、総合的に判断して概ね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ラミニン結合性糖鎖のリン酸に結合しているグルクロン酸残基の転移を担う糖転移酵素を、本年度に樹立したノックアウト細胞を活用することで同定する予定である。一方で、プロテオミクス解析により、TMEM5に結合したタンパク質の同定を行う。更には、同定した酵素複合体を試験管内で再構成することで、複合体の担うラミニン結合性糖鎖の形成機構を明らかにすることを計画している。
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[Journal Article] NMR-based structural validation of therapeutic antibody produced in Nicotiana benthamiana2015
Author(s)
Hirokazu Yagi, Noriho Fukuzawa, Yasushi Tasaka, Kouki Matsuo, Ying Zhang, Takumi Yamaguchi, Sachiko Kondo, Shiori Nakazawa, Noritaka Hashii, Nana Kawasaki, Takeshi Matsumura, Koichi Kato
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Journal Title
Plant Cell Rep.
Volume: 未定
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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