2015 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖によるシナプス前終末の機能修飾
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering sugar chain-based signals regulating integrative neuronal functions |
Project/Area Number |
26110720
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
坂場 武史 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | シナプス / 神経科学 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の2点に関して研究をおこなった。 (1)昨年度の継続として、ラット脳幹聴覚伝導路にあるカリックス型シナプス前終末に膜容量測定法とsynaptotagmin-2-cypHerを用いた光学的測定法を同時に適用し、糖鎖機能を薬理的に急性阻害したときのエキソ・エンドサイトーシスへの効果について検討したところ、シナプス小胞エンドサイトーシスに比較的選択的に影響を与えることがわかった。 (2)細胞外マトリックスに関わるBral2のシナプス伝達の役割について小脳からの急性スライス標本を用いて検討をおこなった。Bral2は脳特異的ヒアルロン酸-プロテオグリカン結合蛋白質であり、ペリニューロナルネットと呼ばれる神経細胞周囲の構造に存在している。ペリニューロナルネットの機能的意義に関しては諸説あるが、Bral2欠損マウス(岡山大との共同研究)を用いた解析でその一端を解明することを試みた。2週齢前後のマウス深部小脳核神経細胞からパッチクランプ記録をおこない、シナプス応答を指標として解析したところ、シナプス伝達効率が有意に減少していることがわかった。連発刺激で観察される短期シナプス抑圧の時間経過には若干の影響があった。自発的な微小シナプス電流の振幅等には影響がなかったことから、シナプス前性に伝達効率が落ちていることが示唆された。現在、シナプス伝達効率の原因を共同研究で形態学的手法などを用いて検討し、とりまとめをおこなっている。 今後は、細胞外マトリックス、ペリニューロナルネットの機能的な役割に関して、より一般的な原理を抽出する必要がある。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)