2014 Fiscal Year Annual Research Report
線虫初期胚で誘導される選択的オートファジーの分子機構と生理機能
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary research on autophagy: from molecular mechanisms to disease states |
Project/Area Number |
26111503
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 美由紀 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (70321768)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | オートファジー / ミトコンドリア / 受精 / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,タンパク質凝集体や感染病原菌,不良ミトコンドリアなどが選択的オートファジーによって分解されることが明らかとなってきている.申請者らは線虫の受精卵を用いた解析から,受精後に精子から持ち込まれた父性オルガネラを選択的にオートファゴソームに取り込み分解する新たな選択的オートファジー経路(allophagy)が存在することを見出した.さらに,受精卵でのオートファジー活性をモニターできるGFP-LGG-1発現株を用いた網羅的RNAiスクリーニングにより,allophagyに特異的に関与するキナーゼを同定した.本研究ではこのキナーゼによる選択的オートファジーの制御メカニズムを明らかにするため,キナーゼの基質または関連因子の探索を行った.まず,蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動によりキナーゼの基質の同定を試みた.野生型とキナーゼ変異体の受精卵から抽出したタンパク質を二次元電気泳動で展開し,泳動度が変化するスポットについて質量分析によってタンパク質を同定した.また,生化学的方法と平行して酵母ツーハイブッリド法を用いてキナーゼと相互作用する因子の同定も行い,候補因子を得ている.RNAiまたは破壊株の表現型解からこれらの因子はallophagyに特異的に関与することが示唆された.さらに相互作用の確認,細胞内局在の検討など詳しい解析を行っており,キナーゼによるallophagyの制御メカニズムの解明が期待できる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
選択的オートファジーの一つであるallophagyに関与するキナーゼの同定に成功し,さらにそのキナーゼの基質または相互作用因子の探索も順調に進んでいる.これらキナーゼとその関連因子の解析が進むことにより,選択的オートファジーのメカニズムや生理的意義の解明につながると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在同定している候補因子の詳しい機能解析を進める.この中には2次スクリーニングにおいてallophagyに特異的に関与することが示唆される因子が含まれるので,そのような因子について優先的に解析を行う.また,キナーゼの直接の基質であることを検証する生化学的解析も行う.
|
Research Products
(12 results)
-
[Journal Article] Guidelines for monitoring autophagy in Caenorhabditis elegans2015
Author(s)
Zhang H, Chang JT, Guo B, Hansen M, Jia K, Kovacs AL, Kumsta C, Lapierre LR, Legouis R, Lin L, Lu Q, Melendez A, O'Rourke EJ, Sato K, Sato M, Wang X, Wu F
-
Journal Title
Autophagy
Volume: 11
Pages: 9-27
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-