2014 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー膜形成における燐脂質動態の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary research on autophagy: from molecular mechanisms to disease states |
Project/Area Number |
26111510
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50115929)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファゴソーム / ホスファチジルイノシトール3燐酸 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類細胞のリソソームや出芽酵母の液胞はオートファゴソームと融合し、内容物の分解を行う。イノシトールリン脂質の1つであるホスファチジルイノシトール3,5-二燐酸[PtdIns(3,5)P2]はリソソームや液胞の機能に必須であることが知られているが、含量が非常に少ないため(リン脂質全体の0.01%以下)、そのナノレベルの局在は不明であった。またPtdIns(3,5)P2と結合するプローブの多くが、PtdIns(3,5)P2より遥かに含量の多いPtdIns(3)PやPtdIns(5)Pにも結合することも分布決定を困難にしてきた。我々は急速凍結・凍結割断レプリカ標識(QF-FRL)法でPtdIns(3,5)P2を特異的に標識する方法を開発することに成功した。FLAGタグを付けた出芽酵母Atg18pのリコンビナントタンパク質を主たるプローブとして用い、過剰量のp40phox PXドメインのリコンビナントタンパク質でPtdIns(3)Pをマスクすることにより、PtdIns(3,5)P2特異的な標識を得た。この方法を適用することにより、高浸透圧刺激下の酵母液胞で形成される膜内粒子とVph1pが排除されたLoドメインにPtdIns(3,5)P2が高密度に分布することを見出した。また管・胞状の形態を示す哺乳類細胞の後期エンドソームでは、胞状部分にPtdIns(3,5)P2が集中することが分かった。このような微細なレベルでPtdIns(3,5)P2の集中が起こることは新たな発見である。この方法を用いることにより、オートファジーにおけるPtdIns(3,5)P2の機能についても解析が可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PtdIns(3,5)P2の可視化解析の開発については予定通りに計画が進行した。またPtdIns(3)Pの非対称性分布に関する計画についても、すでに予備的な結果が得られており、当初の計画通りに進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今のところ当初に計画した通りの進め方で問題はない。できるだけ早くに発表できるように引き続き研究を推進する予定である。
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