2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳内環境破綻時のNaxチャンネルの生理機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Brain Environment |
Project/Area Number |
26111726
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
檜山 武史 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助教 (90360338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経科学 / 細胞・組織 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、これまでナトリウムチャネル分子Naxの研究を進め、脳室周囲器官において体液Naレベルセンサーとしての生理機能を有することを見出した。その過程で、脳傷害部位においてNaxの発現が高まることを見出した。しかし、Naxが脳傷害部位においてNaレベルセンサーとして機能するとは考えにくく、生理機能は不明なままであった。本研究では、脳傷害部位におけるNaxの生理的意義について解明を進めた。 これまでの研究で、以下のことが明らかになった。(1)神経傷害部位においてエンドセリン濃度が上昇する。(2)神経傷害部位においてNaxの発現が誘導される。(3)NaxはエンドセリンB型受容体を介したシグナルによって開口する。(4)Naxが活性化されると細胞内の嫌気的糖代謝が活性化し、アストロサイトからの乳酸放出が起きる。(5)乳酸は神経細胞の生存に寄与し、神経傷害部位での細胞死が減少する。(6)末梢では、神経切断部位における軸索再伸長がNax依存的に増強される。(6)アストロサイトでは、足場タンパク質SAP97とPDZ配列を介して結合することにより、細胞膜上で安定化している。(7)大脳皮質及び扁桃体基底外側部においてNaxはニューロンに発現しており、足場タンパク質PSD95とPDZ配列を介して結合し、シナプス後部に存在している。(8)ニューロンに発現しているNaxも、グリア細胞に発現しているNaxと同様のNa感受性を示す。(9)Naxのイオン選択性はNa+ ≈ Li+ > Rb+ > Cs+である。以上の成果をCell Metab誌、Eur J Neurosci誌、PLoS One誌等に発表した。また、Naxの発現調節機構、乳酸による神経保護機構、NaxとTRPV4の機能的連関、本体性高Na血症の発症機序に関する新たな知見について、成果をまとめ、それぞれ投稿または投稿準備中である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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