2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト生殖細胞のエピゲノムダイナミクスとその制御機構
Publicly Offered Research
Project Area | Analyses and regulation of germline epigenome |
Project/Area Number |
26112502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡江 寛明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10582695)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 生殖細胞 / ゲノムインプリンティング |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAメチル化は、核の初期化、ゲノムインプリンティング、X染色体不活化、レトロトランスポゾンの発現抑制などに重要な役割を担っている。本研究は、ヒト初期発生過程におけるDNAメチル化ダイナミクスを、全ゲノムレベルで明らかにすることを目的としている。昨年度は、ヒト卵子、精子および胚盤胞の全ゲノムバイサルファイトシークエンシング(WGBS)解析を行い、受精後の脱メチル化について詳細な解析を行った。 本年度は、胎児臍帯血、初期胎盤(7~8週)由来の細胞性栄養膜細胞および間質細胞のWGBS解析を行い、卵子、精子および胚盤胞のメチロームデータとの比較を行った。臍帯血と間質細胞は胚盤胞期の内部細胞塊に、細胞性栄養膜細胞は栄養外胚葉に由来する。胚盤胞は低メチル化状態(平均メチル化率26%)にあるが、臍帯血および間質細胞のメチル化率は75%程度であった。臍帯血および間質細胞では、ゲノムの大部分が着床後にほぼ完全にメチル化されていたが、CpGアイランドは低メチル化、インプリント領域は中程度(30-70%)のメチル化を維持していた。 一方で、細胞性栄養膜細胞の平均メチル化率は50%程度であり、多くの領域が中程度のメチル化を維持していることを見出した。さらに、アリル特異的DNAメチル化解析を行ったところ、卵子で高メチル化、精子で低メチル化状態にある領域のうち、約30%が母方アリル特異的メチル化を胎盤で維持していた。一方、その他の領域については、胎盤におけるアリル特異的メチル化は見られなかった。これらの解析より、ヒト胎盤には2500程度の新規インプリント領域が存在することを明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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