2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物幹細胞の生殖生長相転換とエピゲノムの相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Correlative gene system: establishing next-generation genetics |
Project/Area Number |
26113713
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
辻 寛之 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (40437512)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メリステム / エピゲノム / イネ / 幹細胞 / フロリゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
イネにおいて、栄養成長期から生殖生長期への転換は長距離移動性の情報伝達分子フロリゲン(正体はHd3aタンパク質)に完全に依存している。Hd3aとそのパラログRFT1を欠損するイネは生殖生長期へ移行できず、数年経過しても栄養生長期のまま維持される。生長相転換の際の遺伝子発現変化を網羅的に捉えるために、野生型イネとHd3a/RFT1二重RNAiイネの茎頂メリステムを単離してRNA-seqによる遺伝子発現の解析を実施した。その結果、フロリゲンによって発現誘導される遺伝子を約170個、発現抑制される遺伝子を約700個同定した。興味深いことに、発現抑制される遺伝子のうち500個以上がトランスポゾンであった。また、茎頂メリステムでどの程度のトランスポゾンが発現しているかを調査した結果、アノテーションの付与された長いトランスポゾン(平均3kb)のうち約60%で転写を確認することができた。したがってメリステムはトランスポゾンが活発に転写されており、生殖生長期の開始に伴ってこれらの一部がサイレンシングさせることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
フロリゲンがトランスポゾンのサイレンシングを誘導する機能を持つことを発見した。この発見は当初の予想を上回る成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
生長相転換に伴うトランスポゾンのサイレンシングのメカニズムについて理解を深めるために、野生型イネの栄養生長メリステムと生殖生長メリステムのDNAメチローム解析を実施し、情報解析を進める。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Heterotrimeric G proteins control stem cellproliferation through CLAVATA signaling in Arabidopsis.2014
Author(s)
Ishida T, Tabata R, Yamada M, Aida M, Mitsumasu K, Fujiwara M, Yamaguchi K, Shigenobu S, Higuchi M, Tsuji H, Shimamoto K, Hasebe M, Fukuda H, Sawa S.
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Journal Title
EMBO rep.
Volume: 15
Pages: 1202-1209
DOI
Peer Reviewed
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