2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミツバチの生殖機能制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms regulating gamete formation in animals |
Project/Area Number |
26114509
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
鎌倉 昌樹 富山県立大学, 工学部, 講師 (60363876)
|
Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2016-03-31
|
Keywords | ミツバチ / 生殖 / ニッチ / ショウジョウバエ / 女王蜂 / 働き蜂 / 卵巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、女王蜂の生殖機能制御機構の解析 これまでにミツバチの生殖器官にニッチがあるのかどうかについては明らかになっていない。また、女王蜂における胚発生後期から幼虫期、蛹期にかけての卵形成過程については全く明らかになっていない。そこで、女王蜂の卵巣内の幹細胞ニッチにおける生殖幹細胞、体細胞性幹細胞、キャップ細胞の存在を解析することを課題とした。本解析のために、ショウジョウバエのvasaやadducinの抗体で解析を行ったが、ミツバチとは交差しないことが確認された。そこで、ミツバチの配列をもとにvasa、adducin、armadillo、EGFR、dppなどのニッチ構成因子の抗体を作成した。これまでにvasaとadducinの抗体は作成できた。armadillo、EGFR、dppについては抗体が作成できなかったため再度作成しているところである。 また、ロイヤラクチンをショウジョウバエに投与または発現させる評価系は、女王蜂分化を再現しており女王蜂の生殖機能制御機構の解析に応用できることから、本研究ではロイヤラクチン下流で産卵数増加に関わる因子を探索するためのトランスクリプトーム解析を行う予定である。現在、RNA-seqを解析中である。 2、女王除去による働き蜂(成虫)の卵巣発達機構の解析 今年度は働き蜂の特に育児蜂(羽化後2週間くらいまで)がどのタイミングで卵巣を発達させるのかどうかを明らかにするための解析法を開発することを目標とした。Micro-CTは非侵襲的に生物個体の形態を測定できる。これをミツバチの卵巣解析に応用できるかを検討した。女王蜂、働き蜂、女王蜂の幼虫、働き蜂の幼虫を対象にMicro-CTによる内部構造の解析を行った結果、卵巣の構造を外からMicro-CTを用いて解析することが可能であることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ショウジョウバエの抗体がミツバチで交差しなかったため、ミツバチの配列をもとにニッチ構成因子の抗体作成などを行っているなどの理由から、解析が少し遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1、女王蜂の生殖機能制御機構の解析 現在完成している抗体や作成中の抗体を用いて、女王蜂の卵巣の基本構造を明らかにする。また、ニッチを形成しているかどうかを明らかにする。ショウジョウバエのロイヤラクチン形質転換体を対象としたトランスクリプトーム解析を完了し、ロイヤラクチン下流で産卵数増加に関わる因子を明らかにする。 2、女王除去による働き蜂(成虫)の卵巣発達機構の解析 巣から女王蜂を除いたあとの働き蜂の経時サンプルを採取し、働き蜂の卵巣をmicro-CTで解析する。そこで、女王蜂を取り除いた後何日目で働き蜂の卵巣が発達し始めるかについて明らかにし、その時点での通常の働き蜂と卵巣が再発達した働き蜂の卵巣でのトランスクリプトーム解析を実施する。本解析により、ミツバチの卵巣再発達に関与する因子を明らかにする。
|
Research Products
(12 results)