2014 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアの核様体形成を促進するrDNA領域の分子機能
Publicly Offered Research
Project Area | Functions of non-coding DNA region for genome integrity |
Project/Area Number |
26114717
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (70208122)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンデンシン / 核様体 / コヒーシン / SMC |
Outline of Annual Research Achievements |
バクテリア染色体の凝集過程においてバクテリアコンデンシンであるMukBタンパク質が重要な機能を果たしている。MukBタンパク質にはDNA結合性があることが知られているが、そのサブユニットであるMukEF複合体によりDNA結合性が著しく低下することが生化学的な実験から報告されている。これをさらに調べたところ、MukF単体だけでしかもMgイオンに依存してMukBタンパク質のDNA結合性を阻害できることを明らかにした。しかし、これはMukBEF複合体として染色体DNAに結合している細胞内の機能とは矛盾する結果である。MukBタンパク質はSMCファミリーに属するタンパク質である。SMCファミリーの多くはリング状のダイマーを形成する。そして、そのリング内にDNA鎖を取り込み、その結果としてDNAに結合する様式、いわゆるトポロジカルDNA結合するものが知られている。しかし、コンデンシンのグループがトポロジカルDNA結合するかどうか現在も議論が分かれている。精製したMukBタンパク質を用いて、コヒーシンのトポロジカルDNA結合の検出法を試みた。その結果、高塩濃度に耐性のDNA結合が環状DNAで検出されたのにたいして、直鎖DNAではまったく検出できなかった。これはMukBタンパク質がトポロジカルDNA結合をしていることを意味している。環状DNAに対するトポロジカルDNA結合はATPによって阻害を受ける。その一方で、MukEFを加えてMukBEF複合体とすることでトポロジカルDNA結合が安定化することも明らかになった。このような性質は、これまでの細胞内の観察をうまく説明することができるものであり、MukBEFとDNA と複合体の形成過程を調べるなどして、分子の機構を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに確認が難しいとされていたコンデンシンのトポロジカルDNA結合を生化学的な方法により定量的に検出することができるようになった。またリボソーム遺伝子欠損編株のコレクションも作成できており、これらの正常解析も順調にすすみ、リボソーム遺伝子と核様体凝縮の関連が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
MukBタンパク質のトポロジカルDNA結合に関しては、ATPの役割を明らかにするためADPやATP類自体を使いATP結合やその分解活性との関連を生化学的に調べる。また、トポロジカルDNA結合したMukBタンパク質がMukEやMukFサブユニットと複合体を検出し、MukEやMukFがMukBEF-DNA複合体を会合させているというモデルを実証する。 枯草菌のリボソーム遺伝子欠損株を使ってリボソーム遺伝子の染色体凝縮への影響を調べている。野生株10コピーあったリボソーム遺伝子が1コピーまで減少した細胞では、核様体の凝縮に著しい異常ががみられ、DNAの凝縮が阻害されていることが示唆された。この異常は、リボソーム遺伝子を2コピーにすると改善される。しかし、プラスミドによるコピー数の増加は増殖の改善は示しても核様体の凝縮には寄与しない。これはリボソーム遺伝子が単にリボソームの増産のためだけに複数のコピーを持っているのではなく、核様体の形成にも機能していることを示している。様々なリボソーム遺伝子の欠失の体系的なコレクションを作成し、これらの解析を進める。
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Research Products
(1 results)