2014 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠中の新生ニュー ロンの活性化が記憶に及ぼす機能
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
26115502
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂口 昌徳 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (60407088)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | adult neurogenesis / ニューロン新生 / 記憶 / 光遺伝学 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、成体脳の新生ニューロンの記憶回路への統合過程における睡眠の役割りを検討した。まず、新生ニューロンにマウス遺伝学(pNestin-CreERT2 x CAG-LSL-Halo/Ch rhodopsine)を用いて、光受容体を選択的に発現させた。次に、このマウスの海馬歯状回に光ファイバーおよび脳波・筋電図記録電極を移植した。そしてさらに、新生ニューロンがその記憶回路へ統合されることが分かっている記憶学習課題(Contextual Fear Conditioning)を与えた(Arruda-Carvalho M*,Sakaguchi M* et al.,J. Neurosci.,2011,v31p15113,*equally contributed)。この学習課題直後より、脳波・筋電図をモニターすることで、睡眠のステージ判定をリアルタイムで行いながら、特定の睡眠ステージのみにおいて光照射を行った。この際に、睡眠ステージの自動判定システムと光照射の同期システムを開発した(KISSEI COMTEC社、BIOTEX社との共同開発)。これにより、ハイスループットに、新生ニューロンの興奮を各睡眠ステージ特異的に操作することができる。次に、記憶テストを行うことで、学習後の睡眠ステージ選択的な新生ニューロンの興奮制御が、記憶の固定化および睡眠の構築にどのような影響を与えるかについて検討した。驚くべきことに、睡眠ステージ特異的な制御によって、記憶の固定化に強い影響がでることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
光遺伝学による新生ニューロンの制御系が完全に稼働しており、睡眠ステージ特異的な介入操作により、記憶における機能的な表現形が見出されている。また、研究の途上で明らかになった記憶の固定化過程における汎化のメカニズムについて、次年度早期に発表が期待できる(Fujinaka et al., in preparation)
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Strategy for Future Research Activity |
ハイスループットの睡眠ステージの依存的光照射システムを用い、本研究の早期完成を目指す。また、c-fosマウス等を用いることで、学習中に興奮した申請ニューロンのみを遺伝学的に追跡し、記憶回路の形成過程と、申請ニューロンの興奮との関連を明らかにすることを目指す。
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Remarks |
Lab homepage: http://sakurai-sakaguchi.wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/
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Research Products
(9 results)