2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経ネットワークの内部状態による記憶の形成、想起の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
26115509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 洋 東京大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (10549603)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経科学 / 記憶・学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は外部刺激を受けなくても、秩序を持った意味のある活動を続ける。膜電位は自発的に変動し、発火活動にまで至る。こうした自発活動は、外部刺激を受けない睡眠時にも途切れることがない。従来の記憶研究では、自発活動は背景ノイズとして扱われ、取り除くべきものと考えられてきた。しかし実際には、”脳の内部状態”を反映した自発活動も記憶形成、想起に重要であると考えられる。本研究では、特定の細胞集団の自発活動を抑制し、行動に与える影響を調べた。Archaerhodopsinを用いて聴覚皮質の自発活動を抑制した。CaMKIIプロモーターの下流でArchaerhodopsinを発現するアデノ随伴ウイルスを聴覚皮質に注入し、光ファイバーを埋め込んだ。T字迷路にこのマウスを入れ、自発活動を抑制した場合は一方(例えば左側)のアームに餌を置いた。自発活動を抑制しなかった場合は、もう一方(例えば右側)のアームに餌をおいた。餌がどちらにあるか、見て判断することや匂いで判断することはできないように設定した。訓練当初はチャンスレベルの50%の正解率だった。しかしこの訓練を繰り返したところ、マウスは自発活動の抑制を手がかりとして餌を探し当てることができるようになった。また、テスト中ずっと自発活動を抑制する場合だけでなく、テスト前に一定時間だけ抑制した場合でも、テスト時に餌を探し当てられるようになった。一連の結果から、自発活動の抑制が脳における情報になり、記憶形成や想起を引き起こすことを示すものである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)