2015 Fiscal Year Annual Research Report
記憶ダイナミズムをもらたす局所回路形成メカニズムの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
26115516
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 健 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10241241)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロトカドヘリン / ニューロン個性 / セルアンサンブル / 記憶 / 局所回路 / スモールワールド / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、個々の神経細胞で異なる組み合わせで発現する接着分子群であるクラスター型プロトカドヘリン(cPcdh)を同定し、この分子群が記憶に関わることを明らかにしてきた。本研究では、個々の神経細胞でランダムに発現するcPcdh遺伝子群が形成する局所回路の性質を明らかにすることにより、cPcdh分子群の局所回路形成メカニズムと記憶ダイナミズムとの関連性を明らかにする。本年度は、個々のニューロンでランダムな組み合わせ発現する細胞接着分子群であるcPcdhを用いたネットワークモデル(Gene Matched Network)の解析を行った。その結果、特異的回路形成遺伝子がニューロンでランダムな組み合わせ発現することにより形成されるネットワークは、高いクラスター性と全てのニューロン間距離が短いスモールワールド性をもった複雑ネットワークとなることを明らかにした。また、この様式で構成された層状ネットワークの解析により、各層間での高い情報保持の性質が明らかになるとともに、ニューロン集団活動(記憶ダイナミクスにおけるセルアンサンブル)を活動ニューロンが発現している遺伝子の頻度分布として情報表現できることを明らかにした。また、大脳皮質におけるニューロン間の局所回路が細胞系譜やcPcdh発現により制御されている実験結果を得ることに成功した。これらの結果より、cPcd遺伝子群が記憶ダイナミックスの基盤となるセルアンサンブルをもたらす局所回路形成に関わる可能性が強く示唆されてきている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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