2014 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージングによるウイルス感染と細胞応答の定量解析
Publicly Offered Research
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
26115701
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30333503)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / バイオイメージング / ウイルス感染 / 少数性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蛍光ラベルしたウイルス粒子あるいはウイルス様粒子と、FRETの原理を利用した各種バイオセンサーによるバイオイメージングを中心に、生化学・分子生物学・細胞生物学手法を統合的に用い、全体をシステムとして扱うことで、「何個のウイルス粒子が、その後の細胞応答と感染成立に必要か?」という命題にチャレンジする。本年度は以下の項目について研究を行った。 (A)粒子取込に必要な細胞内シグナルは何個のウイルス粒子により発動するか:蛍光標識したウイルス粒子の吸着・侵入をライブセルで可視化すると同時に、FRETバイオセンサーを用いた細胞内シグナルの動態観察を、2秒毎のタイムラプスイメージングで行った。その結果、細胞全体でのカルシウム上昇に先行する、ウイルス粒子結合部位周辺で感染直後に一過性に生じるカルシウム上昇の検出に成功した。(1)ウイルス粒子数の精密測定に共同研究で成功した。この粒子数が既知のウイルス粒子をカルボシアニン膜色素DiDで染色し、ポリエチレンイミンでコーティングしたカバーガラスに、粒子1つ1つが独立して存在するように吸着させる。ここで観察されるスポットの蛍光強度から、ウイルス粒子1つあたりの蛍光強度を算出する。同時に標準蛍光色素溶液を作製し、1粒子当たり蛍光色素の標識量と、粒子ラベル化効率のばらつきと平均蛍光強度を決定した。(2)粒子数依存的なウイルス粒子の細胞内動態:上記で作製したウイルス粒子の吸着・侵入をライブセルで可視化した。(3)粒子数依存的な細胞応答の定量解析:各種シグナル伝達因子の活性化をモニターするFRETバイオセンサーを発現させた細胞に、上記で決定した条件のウイルス粒子数を感染させ、生じる細胞応答を定量的に解析した。これにより、細胞応答に必要なウイルス粒子すを決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画調書で記載した平成26年度の予定に加え、翌年度実施される予定の研究も着手し、成果が得られつつあるので。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り以下の研究を推進する。 (B)ウイルス粒子の取込および感染性子孫粒子の形成に必要な細胞応答の強度の決定。(C)感染成立・伝搬力可能な子孫ウイルス形成に至る必要十分はウイルス量・シグナル強度の決定。(D)隣接する細胞へ感染を伝播するために必要最小条件の決定。(E)得られたパラメータの統合的解析。
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Research Products
(26 results)