2014 Fiscal Year Annual Research Report
少数のタンパク質モーターによる神経細胞オルガネラ輸送の協同的メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
26115702
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 久美子 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00585979)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質モーター / 協同性 / 少数性 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞軸索では、ミトコンドリアやエンドソームなどのオルガネラ(細胞小器官)は、微小管に沿って末端までタンパク質モーターに輸送される。オルガネラを協同で輸送するモーター数を、非平衡統計力学を用いてオルガネラの重心運動の揺らぎ解析から測定した。また、新しい測定方法をセミインタクト細胞とin vitro1分子実験を用いた人工的な輸送系で調べ、細胞内の結果と比較した。 具体的には、マウスから上顎神経節を採取し、神経細胞を培養し、培養開始から3,4日後に、蛍光色素を用いて特定のオルガネラ(ミトコンドリア)を蛍光観察した。タンパク質モーターに輸送されるミトコンドリアの重心位置を測定し、重心位置に含まれる揺らぎの性質を利用して、揺らぎの定理から、働く力(=モーターの出す力)を測定した。また、神経細胞軸索内のミトコンドリアやエンドソームなどのオルガネラ輸送で観察された少数モーターによる協同的な輸送(力の離散性や力と速度の関係)を説明するために、in vitro1分子実験で最小要素(モーター、レールである微小管、オルガネラに見立てた1μmビーズ)を用いて人工的な輸送系を再構成した。in vitro1分子実験による人工的な系の結果とin vivoの観察結果の橋渡しをするために、セミインタクト細胞(膜透過性細胞)を利用した実験で、細胞膜に穴を開け、人工的に細胞内のATP濃度や粘性を変化させた。揺らぎの定理によるモーター数測定の理論を1分子実験、セミインタクト細胞、神経細胞のそれぞれの階層で行い、理論を実験から検証した。 平成26年度の実験が概ね順調であるため、本申請の研究は結果を論文にまとめる段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定してた実験はほぼ終了し、研究が論文作成の段階にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は揺らぎ解析から見積もられるタンパク質モーターの個数が、本当に細胞内のオルガネラ輸送を担うモーター数に一致するかを検証する実験を行う。
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Research Products
(3 results)