2014 Fiscal Year Annual Research Report
DNA-タンパク質相互作用のデジタルカウンティング
Publicly Offered Research
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
26115708
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 慶恵 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (10202269)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノバイオ |
Outline of Annual Research Achievements |
「少数性生物学」では数を知ることが重要である。分子の数を数える方法として、蛍光1分子イメージング技術がある。水溶液中の蛍光色素を1分子イメージングする方法として、現在用いられている全反射照明蛍光顕微鏡法では、蛍光色素分子の濃度がおよそ50 nMを超えると常に近接した領域に複数の蛍光分子が存在するようになり、個々の分子の観察が困難になる。そのため、全反射照明蛍光顕微鏡法による蛍光1分子イメージングで解析できる酵素は、基質との親和性が十分高い酵素に限られていた。このような状況の中、ナノ開口を用いた新しい蛍光1分子イメージング法が開発された。ナノ開口はガラス基板上の厚さ100nm程度のアルミフィルムに作製した直径80~100nmの穴である。穴の直径に比べて励起光の波長が大きいので、ガラス基板の下から励起光を照射すると、励起光は穴の外には出ることができず、穴の底面ごく近傍に近接場光が生じる。全反射照明法よりさらに微小領域を励起するこの方法を用いることで、数µMでも1分子観察が可能になる。シリコン基板上にナノメートルサイズの加工を施す技術はナノインプリント法、EBナノ加工をはじめ、いくつかの方法がすでに確立され、半導体やメモリ作製に使われているが、ガラス基板上にナノメートルサイズの加工を施す技術は確立されておらず、ナノ開口の作製は容易ではない。これまでにいくつかのナノ開口基板作製手法が報告されているが、Ion Beam Milling法とMetal Lift-off法に大別できる。我々はMetal Lift-off法で、ナノ開口基板を作製している。この1年間、条件検討を繰り返し、安定して石英カバーガラス基板にナノ開口を作製することができるようになった。今後は、自作のナノ開口を使ってDNA組換えやエピジェネティクス制御にかかわるタンパク質の機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標はナノ開口を安定に作製する方法を確立することであった。京都大学ナノテクノロジーハブ拠点の装置を使い、チャージアップ防止剤である様々なエスペーサーを試すとともに、電子線描画や現像工程の見直しを行い、従来の方法と比べて短時間、低コストでナノ開口を作製する方法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、作製したナノ開口アレイを用いて、DNA組換えの中間体で十字型構造をしたHolliday構造DNAの分岐点移動を行うモータータンパク質であるRuvBの機能解析を行う。RuvBの他にもエピジェネティクス制御に関係する、メチル化DNAパターン維持に関与するヒトタンパク質DNMT1とUHRF1の機能解析も行う。すでに観察のための、十字型DNAやRuvBやDNMT1などのタンパク質およびDNA試料は調製の準備が完了している。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Comprehensive and quantitative analysis for controlling the physical/chemical states and particle properties of nanodiamonds for biological applications2015
Author(s)
Sotoma, S., Akagi, K., Hosokawa, S., Igarashi, R., Tochio, H., Harada, Y., and Shirakawa
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Journal Title
RSC Advances
Volume: 5
Pages: 13818-13827
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Real-time single-cell imaging of protein secretion2014
Author(s)
Yoshitaka Shirasaki, Mai Yamagishi, Nobutake Suzuki, Kazushi Izawa, Asahi Nakahara, Jun Mizuno, Shuichi Shoji, Toshio Heike, Yoshie Harada, Ryuta Nishikomori, Osamu Ohara
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 4736
DOI
Peer Reviewed
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