2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体高分子が化学反応ネットワークに与える微小空間効果の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Spying minority in biological phenomena -Toward bridging dynamics between individual and ensemble processes- |
Project/Area Number |
26115709
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 正敏 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (40403919)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ナノバイオ / 微小空間効果 / 非線形 / 非平衡 / 細胞サイズリポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はX線小角散乱を用いて水和初期過程の測定を行い、微小空間にDNAが取り込まれるダイナミクスを明らかにする事を試みた。初年度において、脂質膜堆積フィルムからの再水和の際にDNAドメインを核としてリポソームの成長が起きる事を明らかにした。ここでは、高濃度高分子の知見を生かして封入効率を劇的に高める事が出来きたが、水和直後の数秒~十数秒は対象の揺動が激しく、水和の初期段階の動態を明らかにする事が出来ていなかった。これを解決する為に、X線小角散乱を用いて水和初期過程のアンサンブル測定を行った。散乱測定であるため、空間平均ではあるものの、ナノメータースケールでミリ秒というダイナミクスに迫れる十分な空間解像度と時間解像度で水和初期過程のダイナミクスを明らかにすることが出来た。以上の結果をまとめ、詳細な議論を加えた論文を準備中である。この知見を活かすことで、封入分子の種類に応じてより効率的に封入する条件の提案や設計が行えるようになると考えている。
一方で、微小空間が持つ特異性に着目し、運動タンパク質を用いて動態を解析する実験も行った。初年度の研究で、液滴の内部にアクチンとミオシンからなる運動タンパク質を液滴に封入したとき、膜界面との相互作用によって、自発的な変形運動が顕れる事を発見した。本年度は、この実験系の再現性を高めて系統的な実験結果を取得した。アクチン繊維とミオシン束が自発的に作るネットワーク構造が膜界面に力を伝達することや、液滴サイズ依存的な応答が明らかになった。これらの挙動を数理的に解析、その性質を議論して2報の論文として報告した。
以上の様に、生体高分子を細胞サイズの微小空間に閉じ込めた時に起きる特異的な動態を明らかにすることが出来た。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)