2015 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロンにおける細胞核構造と遺伝子発現における核ラミナの意義
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic chromatin structure and function |
Project/Area Number |
26116502
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
滝沢 琢己 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30531115)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クロマチン / 核内構造 / ニューロン / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胎仔海馬より調製したニューロンを異なった日数培養し、遺伝子発現をマイクロアレイにて網羅的に検討した結果、14番染色体に培養日数に応じて発現が増加する遺伝子群が集簇する領域を同定した。同領域は、ヒトの染色体において、統合失調症などの疾患と関連のあるSNPsが集簇している領域と相同であった。同領域の細胞核内での配置をDNA fluorescence in situ hybridization(FISH)法により検討し、ニューロンの成熟に伴い核膜周辺から中心に向かって移動することを見出した。これに加えてLaminB1の発現は減少し、切断された短い分子量のものが増加することも見出した。LaminB1の発現は、遺伝子座の核内配置と密接に関連していることから、LaminB1発現の減少が、14番染色体の核内配置変化に関連していると考え、成熟ニューロンでのLaminB1発現量を増加させたところ、核内配置変動が抑制された。また、この時、14番染色体上の遺伝子の成熟に依存した発現増加も抑制された。更に、興味深いことに、成熟ニューロンにおいて核膜周辺に存在しながら神経活動依存的に発現が誘導される遺伝子の発現量もLaminB1の発現増加により抑制されることがわかった。以上より、LaminB1発現の減少がニューロン成熟に伴う遺伝子座の核内配置変動および成熟した後の遺伝子発現誘導に密接に関連していると考えられた。一方で、ニューロン成熟依存的にLaminB1蛋白質を分解する機構についての検討では、L/C-MSなどによりLaminB1切断部位の同定や、切断する酵素の同定を試みたが、同定にはいたらなかった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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