2015 Fiscal Year Annual Research Report
絶食応答性エピゲノム修飾酵素による代謝調節機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Crosstalk of transcriptional control and energy pathways by hub metabolites |
Project/Area Number |
26116729
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
松本 道宏 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所 糖尿病研究センター 分子代謝制御研究部, 部長 (90467663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子転写 / 絶食応答 / 肝臓 / ヒストン / エピゲノム修飾 / グルカゴン / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
絶食時に分泌されるグルカゴンに応答して肝代謝を制御する2つの酵素、GCN5とSetXの機能解析を行った。 GCN5の発現は、マウスの肝臓において絶食時のグルカゴンにより誘導された。機能獲得/欠損による検討から、GCN5は絶食時の肝糖新生系酵素の転写誘導を介した肝糖新生亢進に必須のアセチル化酵素であり、本作用を発揮するためには転写調節分子CITED2とAキナーゼ (PKA)との相互作用が必要であった。本相互作用の必要性について分子細胞生物学的手法による解析を行った結果、絶食時にGCN5–CITED2–PKA複合体が形成され、本複合体においてcAMPによって活性化されたPKAがGCN5をリン酸化することが示唆された。PKAによってリン酸化されたGCN5はヒストンに対するアセチル化活性が亢進すると共に、糖新生転写共役因子PGC-1αに対するアセチル化活性は低下した。ヒストンのアセチル化の亢進とPGC-1αのアセチル化の抑制は共に糖新生系酵素の遺伝子転写を促進する。これまでGCN5はPGC-1αをアセチル化し不活性化することが知られていたが、本研究よりGCN5には、そのアセチル化が遺伝子転写に対し相反する作用を示すヒストンとPGC-1αという2つの基質のアセチル化活性があることが示された。この2つの活性は絶食時にGCN5–CITED2–PKA複合体内でGCN5がPKAにリン酸化を受けて起こるPGC-1αからヒストンへの基質の変換により制御されていると考えられる。 SetXも絶食時にグルカゴンにより発現が誘導された。機能獲得/欠損による検討から、SetXは絶食時の肝糖新生系酵素の転写誘導を介した肝糖新生亢進に必須の分子であることが示唆された。SetXの相互作用分子の探索からSirtuinファミリー分子を同定し、転写促進は本分子の活性化を介して起こることを明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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