2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞型Dセリントランスポーターの同定とその化学伝達における生理的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
26117514
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
日浅 未来 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30587720)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | D-セリン / 小胞型伝達物質トランスポーター / アストロサイト / ラセマーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は小胞型Dセリントランスポーター(VDseT)を同定し、VDseTがアストロサイトでD-セリンの蓄積と放出に関わることを証明し、VDseTとその他の小胞型伝達物質トランスポーターおよび合成酵素のラセマーゼとの機能連関を解析することである。D-セリンはNMDA受容体の感度を調節する、感度調節型の伝達物質である。アストロサイトでは小胞内に蓄積され、開口放出されるが、その小胞内蓄積を預かるトランスポーターの分子は不明である。 平成26年度はVDseTタンパクを大量発現・精製し、その輸送活性を詳細に解析した。その結果、VDseTがプロトンとの交換輸送によってDセリンを輸送すること、また他のアミノ酸は輸送せずD-セリンへの特異性が非常に高いことを見いだした。また、特異的抗体にて脳における発現を詳細に解析した結果、脳の海馬領域に高発現し、神経シナプス小胞に局在することを見いだした。また、D-セリン測定系の構築をすすめ、神経細胞からのD-セリン放出量の定量的な解析を試みている。実験に必要な遺伝子改変マウスを使用できるよう準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VDseTタンパク質を用いた輸送活性のキャラクタライズは終了している。VDseTの発現パターン解析の結果より、当初のアストロサイトでの研究から神経細胞研究へと多少の計画変更はあったが、VDseTの生理機能解析に向けて順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫電子顕微鏡法にて、VDseTが神経細胞のシナプス小胞に局在することを証明する。神経細胞を用いてD-セリンを定量し、ラセマーゼとの機能連関を解析する。遺伝子改変マウスを準備し、解析する。
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[Journal Article] Impairment of vesicular ATP release affects glucose metabolism and increases insulin sensitivity.2014
Author(s)
Sakamoto S, Miyaji T, Hiasa M, Ichikawa R, Uematsu A, Iwatsuki K, Shibata A, Uneyama H, Takayanagi R, Yamamoto A, Omote H, Nomura M, Moriyama Y
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 4
Pages: 6689
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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