2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞感染性リケッチアを用いたミトコンドリア共生初期過程の研究
Publicly Offered Research
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
26117708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野崎 久義 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40250104)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞内共生 / リケッチア / ゲノム / ミトコンドリア / 植物細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物細胞内共生リケッチアMIDORIKOによる細胞内共生遺伝子水平伝達(EGT)を調査する目的でホストのボルボックス(Volvox carteri)核ゲノム公開配列データと比較するために、我々は独自に次世代シーケンサーでドラフトゲノム配列を確立した。両ゲノム比較から V. carteri核ゲノム上のMIDORIKO遺伝子類似配列を探索した。また、MIDORIKOホストと近縁だがMIDORIKOを持たないV. carteriの複数株において、核ゲノムからMIDORIKO由来の遺伝子配列を検出し、これらの株において過去MIDORIKOが共生したことを示した。この結果は更に、MIDORIKOとの共生関係を継続しているホストの核ゲノムには、より大規模で発展的なEGTが生じていることを示唆た。つまり、MIDORIKOホスト核ゲノムでは、MIDORIKO遺伝子配列の転移に加え、配列の真核生物性構造の獲得とホストによる転写、翻訳が生じている可能性があると考えられた。MIDORIKOとホスト核ゲノムの間で、EGTプロセスがどの遺伝子で、どのような規模で生じ、どの程度進行したかを解明することで、ミトコンドリアの祖先バクテリアが過去、オルガネラ化初期に経験した現象を推測することが可能となると考えられた。このことから現在のミトコンドリアの共生の前後ににおいても1回だけではない共生があった可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に次世代シーケンサーでMIDORIKOドラフトゲノム配列を確立した。両ゲノム比較から ホストボルボックスの核ゲノム上のMIDORIKO遺伝子類似配列を探索することができた。これらの成果は次の研究の大きな基盤となることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたゲノムの比較からMIDORIKOとホスト核ゲノムの間で、EGTプロセスがどの遺伝子で、どのような規模で生じ、どの程度進行したかを解明することで、ミトコンドリアの祖先バクテリアが過去、オルガネラ化初期に経験した現象を推測することが可能となると考えられる。また、植物細胞内共生リケッチアの初のゲノム情報の確立を達成する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Phylogenomic analysis of “red” genes from two divergent species of the “green” secondary phototrophs, the chlorarachniophytes, suggests multiple horizontal gene transfers from the red lineage before the divergence of extant chlorarachniophytes.2014
Author(s)
Yang, Y., Matsuzaki, M., Takahashi, F., Qu, L. and Nozaki, H.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 9
Pages: e101158
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Five Cyanophora (Cyanophorales, Glaucophyta) species delineated based on morphological and molecular data.2014
Author(s)
Takahashi, T., Sato, M., Toyooka, K., Matsuzaki, R., Kawafune, K., Kawamura, M., Okuda, K. and Nozaki, H.
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Journal Title
J. Phycol.
Volume: 50
Pages: 1058-1069
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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