2015 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラの統制を司るTORの機能解明から真核生物の進化を探る
Publicly Offered Research
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
26117711
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 壮輔 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (70548122)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オルガネラ / リボソームRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
核・葉緑体・ミトコンドリアにおける生理現象の統制は、細胞内共生後のオルガネラの誕生過程において必須であったと考えられる。その統制メカニズムの解明は、オルガネラの誕生・進化を理解する上で重要であるが、それらに関する研究は少なく明らかになっていない。本研究では、3つのオルガネラで行われるリボソームRNA(rRNA)合成の統御的な制御機構を明らかにすることにより、「オルガネラの誕生・真核生物の構築原理」を理解することを目的とした。 昨年までの成果として、TOR (target of rapamycin) が3つのオルガネラにおけるrRNA合成を統制的に制御していることを明らかにしている。本年度は、細胞質に局在するTORがどの様な機構で葉緑体のrRNA合成を制御しているかについて解析を行った。その手がかりを得るために、DNAマイクロアレイによりTORが阻害されている際の遺伝子産物の増減を観察した。その結果、上昇した遺伝子のトップ10の中に、バクテリアにおいてrRNA合成を阻害することが解っている因子が含まれていた。この遺伝子発現の変動をQRT-PCRやノザン法で確認すると共に、遺伝子産物が葉緑体に移行することを実験的に確認した。 その後、昨年度までに確立した試験管内転写実験系を用いて阻害因子を添加し、その効果を確認した。その結果、バクテリアよりも濃い濃度ではあるが、葉緑体rRNAの合成に対して阻害的に作用することが見出された。 これらのことから、バクテリア由来の制御機構が真核生物で誕生したTOR制御系の下流に組込まれることにより、オルガネラ間の制御機構が成り立ったことが示された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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