2015 Fiscal Year Annual Research Report
酵母オルガネラへの新規機能賦与による人工共生系の改変と有用物質の高蓄積化
Publicly Offered Research
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
26117715
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
原 清敬 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (40434378)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ATP / 酵母 / 光 / オルガネラ / ロドプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、増殖速度が速い大腸菌や出芽酵母等の発酵微生物に、遺伝子組換え技術を用いた代謝工学的な改良を施し、医薬品や食品、化粧品、燃料、ポリマー原料等の様々な有用物質の発酵生産性を向上させるバイオプロダクションの研究が盛んに行われている。しかし、目的物質の生産性が向上するにつれ、自然界での暮らしでは考えられない偏った重労働を課せられたこれらの発酵微生物が、しばしば細胞内エネルギー(ATP)不足に陥り、生育の低下や目的物質の生産性の頭打ちを引き起こす場面に直面してきた。これは、発酵そのものがインプットである資源(Resource)を「細胞自身の材料(Cell)」、「細胞内エネルギー(Energy)」、「目的生産物(Product)」の3つのアウトプットに振り分けるプロセスであり、これらがトレードオフの関係にあることに、根本的な原因が存在すると考えられる。今回、我々は、この3つ巴の状態にある発酵プロセスから「細胞内エネルギー」を切り離すべく、真核生物の細胞内エネルギー生産を司るオルガネラであるミトコンドリアに、共生細胞工学的に光リン酸化能を人工的に賦与することで光駆動ミトコンドリアを創製し、光エネルギーを利用可能にする新しい光活性型宿主細胞を開発した。具体的には、高度好塩菌が有する光駆動プロトンポンプ(delta-rhodopsin)をミトコンドリア内膜に発現させることで、ミトコンドリアに本来の酸化的リン酸化能に加え、光リン酸化能を付与した。また、この光駆動ミトコンドリアが細胞内共生した出芽酵母を利用して、ATP依存的な反応により合成される有用物質の生産性を向上させた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Improvement of oxidized glutathione fermentation by thiol redox metabolism engineering in Saccharomyces cerevisiae.2015
Author(s)
Hara, K.Y. and Aoki, N. Kobayashi, J., Kiriyama, K., Nishida, K., Araki, M. and Kondo, A
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Journal Title
Appl Microbiol Biotechnol
Volume: 99
Pages: 9771-9778
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluation of genes involved in oxidative phosphorylation in yeast by developing a simple and rapid method to measure mitochondrial ATP synthetic activity2015
Author(s)
Ye, X., Morikawa, K., Ho, S.H., Araki, M., Nishida, K., Hasunuma, T.,Hara, K.Y. and Kondo, A.
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Journal Title
Microb Cell Fact
Volume: 14
Pages: 56
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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