2014 Fiscal Year Annual Research Report
マーモセットを用いた思春期の前頭葉発達補助薬の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Adolescent mind and self-regulation |
Project/Area Number |
26118717
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
一戸 紀孝 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所微細構造研究部, 部長 (00250598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シナプス / 刈り込み |
Outline of Annual Research Achievements |
Perenz et al., (2011)をはじめとして、自閉症スペクトラム、統合失調症は、シナプス・スパインの異常として、とらえる事も可能である。ところで、ヒトに見られる乳児期および幼年期に急速にシナプスが形成され、その後、刈り込みが起こる現象はげっ歯類では見られない現象であり、かつこのピークの周囲のシナプス・スパイン数の異常がこれらの疾患の特性の1つである。そのため、このように生後一度、シナプス数がovershootし(overshoot-type)、その後、刈り込まれるメカニズムを調べるためのモデル動物が必要とされていた。我々は、社会性の強く、多産で、成熟の早い霊長類であるマーモセットがヒトと同様のovershoot-typeと呼ばれているシナプス形成現象の存在を確認して来た(図2)。結果としては、マーモセットも3ヶ月をピークとしたovershoot-typeを示す事が見いだされた。また、同様にMRIとDTIを用いて、マーモセットの脳の発達を追求した。3ヶ月でピークに達するスパイン数、皮質厚、3ヶ月から増大する髄質量。これらを自己を制御する前頭葉の発達だと考え、3ヶ月齢の前頭葉と6ヶ月の前頭葉の遺伝子発現を調べた。3ヶ月で高い遺伝子は、シナプスを増大させ、6ヶ月で高い遺伝子はシナプスを減少させ、前頭葉からの遠距離投射を支える傾向があると考えられ、そのような遺伝子をターゲットにして、強調または抑制することにより、自己を正しく支えるチャンスを青年に与えると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自閉症モデルとの遺伝子発現の比較を考慮しているが、このデータが2ヶ月遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
自閉症のデータが入ったら、それをもとに、当初の実験を進める。
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