2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳内セロトニンが時間の体験に与える影響の解明
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
26119504
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水挽 貴至 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60463824)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | time production / 急性トリプトファン枯渇 / ATD / ガンマ分布 / 計時 / scaler expectancy仮説 |
Outline of Annual Research Achievements |
Time production課題を学習したサルに対し、ATD(急性トリプトファン枯渇)を行い、セロトニン前駆体であるトリプトファンを枯渇させたときの計時能力の変化を記録した。本課題では、視覚的キューの示す時間(1、2、4秒後)にバーから手を離せば報酬がもらえる。実験は週単位で行った。ATD条件と対照条件は同じ週内で行われ、毎週ATD条件と対照条件を行う順序を入れ替え、施行順序の影響を相殺するようにした。バーから手を放すのにかかった時間(反応時間)のヒストグラムは、ガンマ分布に基づくモデルによって統計的あてはめを行い、ピーク時間を算出した。実験は全10週間行った。 その結果、ATD条件と対照条件を比較した場合、ATD条件の反応分布のピーク時間は、実験週数の初期数週においては、対照条件より遅延する傾向を認めた。しかし実験週数が経過するごとに短縮し、後期においてはATD条件のほうが短縮し、その変動も小さくなる傾向を認めた。またその短縮の程度は、キューの示す1、2、4秒に比例し1:2:4の割合を保っていた。この結果は、scalar expectancy modelに基づくと、初期に内部クロックが遅くなり、後期には逆に早くなることで説明できる。 ヒトやげっ歯類を用いた諸家による急性実験では、セロトニン神経の活動を抑制すると、即時報酬への依存が強まり、獲得までに長い時間がかかる報酬を待てなくなる様子が見られており、本実験の結果と矛盾しない。低セロトニンによって内部クロックが遅くなったためと考えると、この現象は時間割引仮説で説明可能となる。一方軽うつのような慢性的低セロトニン状態のヒトは反応時間が早いという報告がある。この点も本実験の後期における所見と合致した。しかしなぜ初期と後期で内部クロック速度に変化が生ずるのかは今後究明を要すると思われた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)