2015 Fiscal Year Annual Research Report
こころの中の「いま、この瞬間」をとらえる―主観的同時性を形成する脳の仕組みの探究
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
26119521
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
宮崎 真 静岡大学, 情報学部, 教授 (30392202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 同時性判断 / 主観的同時点 / 時間知覚 / 脳機能測定 / 心理物理学的測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能的磁気共鳴画像 (fMRI) を用いて,触覚刺激の同時判断と時間順序判断に関連する脳部位の違いを調べた研究成果を刊行した (Miyazaki et al. 2016, Sci Rep).この研究によって,同時判断の関連脳部位として後島皮質が観測された.この研究に続き,さらに非時間的な統制課題を用いてfMRI測定を行った.具体的には,両手に与える触覚刺激の呈示時間と刺激用のピンの数を独立変数に設定し,参加者に同時判断と同数判断を課した.その実験の結果,同時判断の関連脳活動は後島皮質には認められず,右の下頭頂小葉に観測された (Kimura et al. & Miyazaki. 2015, Soc Neurosci; 木村ら & 宮崎. 2015, 日本臨床神経生理学会).すなわち,後島皮質は同時判断と同数判断で同レベルの活動を示していた。この結果から,後島皮質は時間的一致性の検知を担う脳領域というよりも,より広汎な触覚刺激の一致性の検知に関与する領域であることが示唆された.右の下頭頂小葉については,Miyazaki et al. (2016) では同時判断の関連脳部位として検出されていなかったことから,時間順序判断にも関わっていたことが示唆される.近年,右の下頭頂小葉は刺激の時間長を表現しているとする報告が刊行されている (Hayashi et al. 2015, PLoS Biol).この報告も考え合わせると,右の下頭頂小葉は触覚刺激の時間差を表現し,後島皮質がその時間差表現に基づき,同時/非同時を弁別しているというプロセスが本研究成果から示唆される.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
<研究成果に関する新聞報道など> Miyazaki et al. (2016) が (1) 科学新聞 (2016年4月22日4面),(2) 静岡新聞 (2016年4月13日30面),(3) マイナビニュース (2017年4月11日配信) などで報道された.
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Research Products
(19 results)