2015 Fiscal Year Annual Research Report
同期障害の神経心理学的検討
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
26119528
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
緑川 晶 中央大学, 文学部, 教授 (90421833)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 時間知覚 / 同期 / 脳損傷 / 自己知覚 / 年齢認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、時間を外界と個人のあいだで生じる相互作用として捉え、そのような相互作用の中で個人がどのように規定されるかを明らかにすることを目的とし、以下の3つの検討を行った。 1.同期と時間知覚:一定間隔で呈示される外的刺激に対する同期課題(手指タッピング課題)を通じて、脳損傷患者の時間知覚機能を明らかにすることを目的とした。本検討で得られた結果は次の通りである。①麻痺等の影響を除外したとしても、脳損傷患者の多くは視覚刺激に対して同期させることが困難であった。損傷部位ごとの差異は明らかではなく、速度も多様であった(基準となる速度よりタッピング速度が遅い症例と遅い症例が存在した)。②聴覚呈示された外的刺激に対しては、いずれの患者も同期させることは可能であった。③さらに聴覚的な同期に成功したあとでも再度の視覚同期が困難となる症例が存在した。これらの結果から、脳が障害を受けると視覚と聴覚とでは異なった時間間隔の感じ方をしていることが示唆された。 2.同期と自己知覚:脳損傷患者で生じる体外離脱体験を健常被験者を対象にシミュレーションしたところ、視点の変換に関係なく視覚・体性感覚情報の同期が、体外離脱状態を再現されることを明らかにした。 3.マクロな時間の流れの認知と自己知覚:第三脳室の腫瘍患者を対象に手術中の時間認識と自己認識を確認したところ、見当識の障害に加えて一過性に年齢に関する自己認識が著しく変化する現象が認めれた。この現象は従来言われていたage-awarenessの障害とも合致する症候と考えられた。このような症例は、age-awarenessの神経基盤を明らかにするだけではなく、外的な時間の認識と自己の時間(年齢)の認識が解離することが示唆するものである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Modified Six Elements Test: Earlier diagnosis of the correlation between motor and executive dysfunction in Parkinson's disease without dementia2015
Author(s)
Murakami H, Owan Y, Oguchi T, Nomoto S, Shozawa H, Kubota S, Mori Y, Mizuma K, Futamura A, Kobayakawa M, Kezuka M, Midorikawa A, Miller WM, Kawamura M
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Journal Title
Neurology and Clinical Neuroscience
Volume: 3
Pages: 209-214
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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