2014 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症における主観的「現在」の時間幅とその可塑性の検討
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
26119529
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
嶋田 総太郎 明治大学, 理工学部, 教授 (70440138)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遅延視覚フィードバックの下でのラバーハンド錯覚を通じて、主観的「現在」の時間幅およびその可塑性を行動実験と非侵襲脳活動計測・脳刺激実験により明らかにする。実験では偽物の手(ラバーハンド)と被験者の手に同時に触覚刺激を与える一方で視覚フィードバックには数百ミリ秒の遅延を加える。これにより被験者の受ける触覚-視覚刺激間に任意の時間ずれを挿入でき、ラバーハンド錯覚が生起する限界の視覚フィードバック遅延幅を計測できる。 今年度は経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を頭頂葉に与えることによって、ラバーハンド錯覚の生起の仕方にどのような変化が現れるかについて検討した。その結果、左TPJ(側頭-頭頂結合部)に陰極刺激、左前頭前野に陽極刺激を与えたときに、ラバーハンド錯覚が有意に減少すること、また陰極・陽極刺激を逆にすると、ラバーハンド錯覚が増強することを見出した(P<0.05)。このことはTPJが視覚と触覚の時間的統合に重要な役割を果たすこと、その働き方をtDCSによって変調させることができることを示す重要な結果である。この結果は現在、国際論文誌への投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を左頭頂葉に与えることによって、ラバーハンド錯覚に変調が見られることを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はラバーハンド錯覚時の脳活動を計測し、頭頂葉の役割を確認する。また右頭頂葉にtDCSを与えたときの効果ついても調べる。
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Research Products
(13 results)