2014 Fiscal Year Annual Research Report
時間と空間の共感覚と脳内分子メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
26119531
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
山田 真希子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, サブリーダー (50557444)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
時間は空間の中の決まった位置に存在する。身体の進行方向が未来の方向を示しているように、時間と空間はこころの中で重複して形成されてい る。これは“心的時間軸(メンタルタイムライン)” とも呼ばれる、時間感覚と空間感覚の共感覚現象 である。メタファー「前向きな考え方」が「希望 や期待感」を意味するように、概念が時空間を含 んでいる事実は、時間と空間の共感覚が、我々の認知スタイルや行動選択に直接影響を与えている可能性を示唆している。申請者は、ヒトは未 来に希望を持つほどポジティブな錯覚を持つ傾向があることを見出した。ポジティブな思考が、 未来と前方の共感覚によって説明可能であれば、生得的と思われる未来への希望感の起源につ いての深い理解につながる可能性を秘めている。本研究は、fMRI と PET イメージングを融合し、行動実験を統合することで、時間と空間の共感覚 (前方に未来がある)がポジティブな期待や希望を生成する可能性と、その脳内分子メカニズ ムを明らかにすることを目的に、当該年度は、時間の空間配置が、前方と後方に配置されているかを調べるための行動実験を開発し、データ取得を行った。さらに、視野流動動画を用いて、心的時間・空間移動とポジティブ錯覚との関連を調べるための行動実験を開発し、データ取得を行った。fMRIを用いた脳活動とPETを用いたドーパミン神経伝達機能計測の準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、行動実験の開発、データ取得を行うことができた。さらに、次年度予定の実験準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
fMRIを用いた脳活動計測とPETを用いたドーパミン神経伝達機能計測を実施し、時間と空間の共感覚に関わる脳機能とドーパミンとの関連について解析を行う。得られた成果を国際誌に投稿する準備を進める。
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