2015 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質代謝系を組み込んだ人工細胞の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
26119704
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
車 兪徹 東京工業大学, 地球生命研究所, WPI研究員 (40508420)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 合成生物学 / 人工細胞 / リン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞膜を構成する主要なリン脂質の、最小合成経路をリデザインし、無細胞系をベースとした再構築を試みることである。リン脂質の生合成反応は網目状のネットワーク構造を形成しており、多くの酵素が関わる複雑な生体システムである。これまでにArchaeaの脂質生合成経路を大腸菌などの生物種で部分的に再構築した例は2、3あるが、In vitroで再構築した例は無く、また統合的な解析を行うための技術基盤も確立されていない。そこでリン脂質合成に関わる最小限の酵素8種を選別し無細胞系により合成することで、リン脂質合成代謝系をボトムアップ的に再構築する。これにより、リン脂質代謝をモデルとした膜タンパク質分子間ネットワークを無細胞内再構築することを目的とする。 合成する酵素は膜局在タンパク質であるため、その局在場所としてNanoDisc(脂質二重膜をディスク状に束ねたもの)やリポソームを無細胞系に投入した。本研究計画において、plsB、plsC、cdsA、pssA、psd、pgsA、pgpA、cls遺伝子の無細胞発現を確認し、またそれら合成産物の約80%以上がNanodis膜への自発的挿入していることを確認した。plsBとplsCについては以前からアシルトランスフェラーザ活性の検出に成功していたが、今回さらにcdsAについてその活性の一端を検出する結果が得られている。また関連技術として、巨大膜小胞(GUV)内においてモデル膜タンパク質である、アルファヘモリジンとバクテリオロドプシン(それぞれGFPフージョンプロテインとして)を合成させたところ、効率的なGUV内合成と、GUV膜挿入を顕微鏡下で観察することができた。 本研究で得られた成果は、これまでに理想的な手段がなかった、脂質膜環境中でどのような分子ダイナミクスが行なわれているかを詳細に解析する、試験管内技術の創造に資するものである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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