2015 Fiscal Year Annual Research Report
DNA-タンパク質相互作用の光制御を利用した遺伝子回路への光分子スイッチの導入
Publicly Offered Research
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
26119705
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清尾 康志 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (20313356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光ケージド核酸 / シュードデオキシウリジン / T7-RNAポリメラーゼ / Klenowフラグメント |
Outline of Annual Research Achievements |
新規ケージドヌクレオシドとして、1-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシュードウリジンを設計し、それを含むDNAの化学合成とその三リン酸体の合成とT7-RNAポリメラーゼ反応への適用を検討した。まず、上記ヌクレオシドを2'-デオキシシュードウリジンから合成し、ホスホロアミダイトへと誘導した後、DNA自動合成機を用いてDNAを合成した。 合成したDNAと相補鎖DNAからなる光ケージされたDNA二重鎖を用いてT7-RNAポリメラーゼによる転写反応を行った。その結果、光ケージされたDNA二重鎖と2-ニトロベンジル基を光で除去したDNAを比較すると、後者の方がより効率的に転写されることが分かった。これにより、光照射により転写効率を制御することのできる人工DNAを開発することができた。 またこれらの結果からDNAのメジャーグルーブ側につきだした芳香環が効率的にDNA結合タンパク質と相互作用する可能性が示唆されたため核酸塩基の7位に芳香環を導入した誘導体を種々合成し、その性質を調べたところベンゾフラン-2-イル基を導入した誘導体が蛍光特性を有し、かつその蛍光がDNA結合タンパク質の結合によりOn-offされるあらたな知見も見出した。また上記ヌクレオシドを三リン酸体への変換し、DNA鎖へのKlenowフラグメントによる取り込み反応を検討したところ、合成したヌクレオシド三リン酸はチミジン三リン酸の替わりにDNA鎖に組み込まれることが分かった。上記ヌクレオシドはチミジン三リン酸の代替基質として、アデニンの相補的位置に取り込まれる事もわかった。 以上の結果から、今回合成した1-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシュードウリジンとその三リン酸はDNA合成酵素によりDNA鎖に取り込むことができ、かつT7-RNAポリメラーゼの転写効率を制御する新規光ケージドヌクレオシドであることが分かった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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