2014 Fiscal Year Annual Research Report
DNA 塩基置換酵素の“逆進化”誘導によるDNAを切らないゲノム編集ツールの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
26119710
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 敬二 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 准教授 (10620338)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / デアミナーゼ / CRISPR / 合成生物 / 合成進化 / synthetic biology |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム情報を生きた細胞のなかで操作改変することができる技術は、「創って解析する・利用する生物学」にとって基盤となる技術である。これまでのゲノム編集技術はヌクレアーゼ活性を利用して標的のDNA配列部位において切断し、その後の宿主による修復過程での変異導入を期待するものである。これまで相同組み換え等の遺伝子操作が困難であった材料においても有効であることから急速に普及が進んでいる。一方で染色体切断に伴う毒性やあ不確実性が問題となり、微生物等では致死的で適応が困難となっている。 そこで本研究の目的はDNA塩基変換反応を利用して染色体を切断せずに直接配列情報を書き換える技術を開発し、上記のような問題を解決すると共に新たな様式のゲノム編集技術を提供すること、また同時にDNA修飾酵素反応やDNA修復機構について構成的アプローチによって新たな知見を獲得することでである。 具体的には至適化されたDNA塩基変換酵素をDNA配列認識モジュールに結合させた人工酵素を開発し、実際にそのゲノム編集技術としての有効性を確立・実証することを行う。26年度は上記の技術を複数の方式によって実証することが出来たので、国内およびPCTそれぞれ一件の特許出願を行った。 開発される技術は知財戦略上も重要な新たなゲノム編集ツールとして合成生物学のみならず、生命科学の幅広い学問領域に新しいアプローチを提供することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の中心的課題であるDNA塩基変換反応によるゲノム編集技術の実現を、26年度においてほぼ達成することが出来、さらに実用レベルにある高い効率と精度での標的一塩基変異導入を確立することが出来た。開発された技術は重要な知財として国内およびPCTそれぞれ一件の特許出願を行うに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
より挑戦的なテーマとして人工的に超変異を導入できる技術を開発する。すなはち標的配列およびその限られた周辺部位に対してのみランダム変異を導入することで、特定のゲノム領域の人工進化を誘導し続けるという、今までになかった強力な合成進化ツールを提供する。
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Research Products
(3 results)