2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体系固体NMR解析の高度化とスパースモデル
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
26120501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
出村 誠 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (70188704)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 固体NMR / 膜タンパク質 / PRE / 安定同位体 / 圧縮センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
生体系の固体NMR測定技術の高度化と圧縮センシングによる多次元NMRスペクトルの高速測定を進めた。 1)常磁性緩和促進を用いた測定感度の改善と立体構造解析:タンパク質の立体構造情報は、その動態を解析する上で重要な情報である。その中でも遠位核間の配置に関する情報は、二次構造間やドメイン間、モノマー間等の相互作用を反映するため特に重要である。モデルタンパクについて構造決定に用いたPRE構造制限の拘束条件が妥当であるか検証するために、固体状態で起こる常磁性体によるNMR信号強度減衰の数値解析をおこなった。その結果、有効な常磁性分子と反磁性分子比や、信号強度の減衰比を解明した。これらの研究成果は国際誌や国際学会で発表した。 2)圧縮センシングによる多次元NMRスペクトルの高速測定:固体NMRスペクトルは原理的に信号線幅が広く、さらに固体NMRの主要ターゲットである膜タンパク質等の試料は分子量が大きく、信号数も多い。加えて固体NMRの感度は試料の分子量に依存するため低感度になり、熱ノイズが相対的に大きくなる。これらは圧縮センシングにとって悪条件であり、再構成性能の低下は避けられない。よって、このようなシビアな条件での再構成性能評価は圧縮センシングの応用のために必須である。本研究では、未発表の膜タンパク質ナトリウムポンプ型ロドプシンを用いて、固体NMRにおける圧縮センシングの有用性を検証した。圧縮センシングを用いることで、10倍速でのデータ取得が可能となり、測定日数を半日に短縮できることが明らかとなった。動態解析では、様々な試料調製条件やパルスシーケンスのパラメータで測定することが多いため、10倍もの時間短縮には大きな意義がある。分子量が大きく、信号数が多い、また、感度が低い試料の測定においても圧縮センシングのアプローチは非常に有効であると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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