2014 Fiscal Year Annual Research Report
スパース性を使った新規多次元NMRスペクトル再構成法の開発とGPCR研究への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
26120506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓見 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20451859)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造生物学 / GPCR / NMR / 転移交差飽和法 / Co-ANAFOR / Tikhonov regularization |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のNMRスペクトル再構成法であるANAFOR法に二点の改良を加えた。一点目として、最小二乗法の解を安定化させるために、Tikonov regularizationを適用した。二点目として、化学シフトや緩和速度のミスマッチの影響を小さくするために、ANAFORでは捨てて計算値に置き換えていた実測データを残して, 測定していない部分だけ外挿するように変更した。その結果、ANAFORにおける線形の不一致やアーティファクトが解消された。以下、開発した手法をCo-ANAFORと呼ぶ。 次に、Co-ANAFORをプラストシアニンと光合成明反応膜蛋白質の転移交差飽和実験のデータに適用した。その結果、圧縮センシングにより14ポイントの不均一サンプリングしたデータから再構成した56ポイントのスペクトルでは、S/N比が40を下回るような感度の低いシグナルの強度比が、56ポイント全て実測したスペクトルにおける強度比と顕著に異なっていたのに対し、Co-ANAFORにより14ポイントの均一サンプリングしたデータから再構成した56ポイントのスペクトルでは、56ポイント全て実測したスペクトルにおける強度比との差は全て0.15以下であった。 さらに、Co-ANAFORを応用するNMR解析に必要な、ケモカイン受容体CCR1およびCCR5の調製を行い、昆虫細胞1 L 培養から、約20 ug のCCR1、約 5 ug のCCR5 を含むrHDL を約80 % の純度にて調製できた。調製したCCR1/CCR5-rHDL が がGタンパク質を介したGDP-GTP 交換活性を保持することを確認した。さらに、MIP-1aと、CCR1/CCR5-rHDL のSPR 解析により、解離定数をいずれも約5 uMと決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Co-ANAFOR法の開発、および活性を保持したCCR1-rHDL, CCR5-rHDLの調製を計画通り達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
CCR1およびCCR5とMIP-1aの相互作用の転移交差飽和実験を行う。Co-ANAFORを適用してシグナル強度比を正確に算出することにより、結合界面を決定した上で、CCR1結合界面とCCR5結合界面を比較する。
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Research Products
(3 results)