2014 Fiscal Year Annual Research Report
疎性モデリングによる地震発生予測のための地殻活動データからの情報抽出
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
26120538
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
堀 高峰 独立行政法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, グループリーダー代理 (00359176)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 逆解析 / なめらかさと不連続性とスパース性 / 数値実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
プレート境界での固着・すべりの分布を逆解析する際に、なめらかさと不連続性の両方を考慮した拘束条件のもとで推定する手法の開発を行い、物理モデルにもとづく数値実験によって、現実的なノイズレベルでの実現可能性や手法の妥当性をある程度示すことができた。数値実験として具体的には、地震発生サイクルの数値シミュレーションで得られた余効すべり(真の物理量)による地殻変動の模擬データ(観測物理量)を用いて、プレート境界面上のすべり分布を推定した。評価関数は Kuwatani et al. [2014] の手法を改良し、Markov random fields (MRF) モデルに基づいたすべりのなめらかさを規定する項に不連続性を導入するとともに、モデルパラメタのスパース性を規定する項を導入した。評価関数を最小にするモデルパラメタセットは、従来のなめらかさを拘束条件とした手法よりも高い解像度で、余効すべり域と固着域を分離できているとともに、スパース性のみを拘束条件とした手法よりも平均的なすべり量を定量的に再現できていた。これにより、固着・すべり状態が不連続的に変化する部分をデータからより適切に推定できることになり、どこで応力集中が起きるか、またその応力集中の程度を、従来の手法よりも精度よく推定することができると期待される。この成果については国内ならびに海外の学会で発表した。さらに、次年度早々に論文投稿するため、論文執筆も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度予定していた数値実験を実施し、学会発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本手法の妥当性を定量的に示して論文化するとともに、実データに対して本手法を適用し、有効性を確かめる。なお、実データとしては、豊後水道SSE、東北地方太平洋沖地震前後などを想定している。また、現時点では、評価関数の最小化が必ずしも十分ではなく、またハイパーパラメタもいくつかの値を試した段階のため、今後はレプリカ交換モンテカルロ法等を導入することで、より適切なハイパーパラメタ推定を実施するとともに、評価関数をより小さくするパラメタの推定に取り組む。
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Research Products
(2 results)