2014 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の意思決定を担う神経回路の立体ライブイメージングによる動作原理の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
26120719
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺本 孝行 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90571836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カルシウムイメージング / 行動選択 / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、線虫の行動選択を担う神経回路とニューロンの活動を4DCa2+イメージングによって計測・可視化し、リスクベネフィット状況下における、線虫の行動選択における感覚情報の流れの全容を捉えることを目標の一つとして研究開発を進めた。特に中枢神経系における情報の流れの全容を捉えるため、より多くのニューロンの可視化と計測を行えるイメージングの手法の確立を進めた。具体的には、線虫の全中枢神経にCa2+インジケーターに加え、mCherryを核に発現させることで、細胞位置を捉えることでより多くのニューロンの活動の可視化と計測を行い、さらにイメージングにおける撮像速度を95fpsに高速化したことで、10分程度のイメージングでも、各細胞を追跡することが可能になった。これにより、行動選択における全中枢神経の活動(約150個以上のニューロン)を捉えるシステムを確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、本年度の目標の一つとして神経回路モデル内の4つのニューロンの同時イメージング実験系の確立を目指したが、研究の過程でCa2+インジケータを各ニューロン(AWA, AIA, AIB, ASH)特異的プロモータを使って発現させることが技術的に困難であることが判明した。そこで全ニューロンに発現するプロモーターを用いてCa2+インジケータを発現するコンストラクトをゲノムに導入した線虫株を作成し、ニューロンを同定する方法に切り替えた。このため、新たな線虫株の作成に時間がかり、もう一つの目標としてきたAIA介在ニューロンの神経突起の高分解能4Dカルシウムイメージングを行うまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)新たに作成したトランスジェニック線虫株を利用し、流路内に誘引物質(ジアセチル)と忌避物質(銅イオン)によりリスクベネフィット状況を作成することで、行動選択における中枢神経系の活動(約150個以上のニューロン)の計測を行い、線虫の行動選択における感覚情報の流れの全容を捉える。 2)トランスジェニック線虫株が持つCa2+インジケータとmCherryとは別の波長域を持つ蛍光タンパク質を特異的プロモータを使って特定のニューロンで発現させることで、AWA, AIA, ASH, AIBニューロンを同定を行い、行動選択を制御する神経回路の活動を明らかにする。 3)感覚情報の統合が行われていると推測されるAIA介在ニューロンの神経突起にGCaMP6を発現する線虫株を作成し、4Dイメージングシステムを使ってリスクベネフィット状況下での神経突起の活動を計測する。 4)新たに作成したトランスジェニック線虫株に神経特異的プロモーターによりChR2, NpHRを発現させ、オプトジェネティクスを利用することで線虫の行動選択の操作を試みる。
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Research Products
(5 results)