2014 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経システムと脳機能の統合的連関からみた予測と意思決定メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
26120722
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90317272)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 自律神経 / 内受容感覚 / 不安 / 未来性思考 / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「未来の予測と不安」のメカニズムを「心・脳・身体」という三者関係のダイナミクスの中で捉える枠組みを重視し,これまでは見落とされがちであった身体機能として自律神経活動に焦点を当てる.上述の「心・脳・身体」というダイナミクスを理解する上で重要な鍵を握るのは,身体状態の変化の感覚,すなわち内受容感覚である.本研究では,この内受容感覚に焦点を当て,以下の複数の課題を用いた実験を実施し,「未来の予測と不安」という視点から予測と意思決定のメカニズム解明に挑む. 具体的な課題としては,不安という性格要素が深く関わるとされる「未来性思考」や「感情予測」をターゲットとして,それらの背後にある基礎的な要素である確率的意思決定を調べる課題を用いた.この課題では,いくつかの事例から,その全体的傾向を確率的判断をもとに意思決定する必要がある.その際に関わる脳神経基盤を調べる研究や,自律神経反応を調べる研究を実施した.また,新たなデータ解析の方法論としてベイズ推定を採用した.結果としては,島皮質のような内受容感覚に関連のある部位や,確率判断的思考に深く関わる前頭前野の活動が観察され,その程度が,不安の程度などによって異なること,また,その行動的な特性は,ベイズ推定とのフィッティングがよいことなどが確認できた.今後は,これらのメカニズムをさらに深める方向に進める予定である. また,共同研究として,強迫神経症における意思決定の特性に関する研究も発展的に進めており,最終的には統合的な理解のためのフレームワークを提供することに邁進する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した研究計画については,おおむね予定通りに実施しているが,不安障害の症例の確保に難航した.次年度は参加者の募集を促進させ,早急な一定数確保を試みる.
|
Strategy for Future Research Activity |
計画書に記載した残りの研究も含め,精力的に研究を推進させる.特に,不安障害などの症例の確保はより活動的に行い,さまざまなデータの効率的収集を行い,迅速なデータ確保と解析を実施する予定である.
|
-
-
-
[Journal Article] Fear conditioning induced by interpersonal conflicts in healthy individuals.2015
Author(s)
ada, M., Uchida, H.,, Maeda, T., Konishi, M., Umeda, S., Terasawa, Y., Nakajima, S., Mimura, M., Miyazaki, T., & Takahashi, T.
-
Journal Title
PLOS ONE
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-