2015 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経システムと脳機能の統合的連関からみた予測と意思決定メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
26120722
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90317272)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自律神経 / 内受容感覚 / 不安 / 未来性思考 / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「未来の予測と不安」のメカニズムを「心・脳・身体」という三者関係のダイナミクスの中で捉える枠組みを重視し,これまでは見落とされがちであった身体機能として自律神経活動に焦点を当てる.本研究では,以下の複数の実験を実施し,「未来の予測と不安」という視点から予測と意思決定のメカニズム解明に挑んだ.今年度に取り組んだ研究テーマとしては,不安という性格要素が深く関わるとされる展望記憶の事象関連脳電位(ERP)を用いた予測に関わる神経基盤の解明,および予測機能に深く関わるとされる前頭前野前部(前頭極, BA10)の機能解明を目的とした,展望記憶と遂行機能障害の関連性に関する検討であった.前者の研究では,将来に実行するという意図を形成した状態で,そのトリガーとなる刺激を提示した際の脳波活動を事象関連型展望記憶課題によって用いて調べた.その結果,比較的早期の成分と後期の成分において,展望記憶に必要とされる注意と記憶に関わる処理を反映したと考えられる特殊な脳活動が特定され,予測に関連する気づきと記憶内容想起を反映する可能性が示唆された.また,後者の研究では,前頭葉機能の指標として広く用いられているさまざまな遂行機能課題を用いて,展望記憶課題の独立性を検証し,気づきと関連のある注意成分に関する処理が展望記憶において特殊であることが示された.これらの結果は,人間の予測に一般的に関わる認知神経メカニズムの解明を進めたものと位置づけられ,脳損傷例などに対するリハビリテーションを含む臨床神経心理学的な応用としても有用な示唆を与えられるものと考えられる.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Behavioral evidence of delayed prediction signals during agency attribution in patients with schizophrenia.2015
Author(s)
Koreki, A., Maeda, T., Fukushima, H., Umeda, S., Takahata, K., Okimura, T., Funayama, M., Iwashita, S., Mimura, M., & Kato, M.
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Journal Title
Psychiatry Research
Volume: 230
Pages: 78-83
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Time course and localization of brain activity in humor comprehension: An ERP/sLORETA study.2015
Author(s)
Shibata, M., Terasawa, Y., Osumi, T., Masui, K., Arisa, S., & Umeda, S.
Organizer
Neuroscience 2015
Place of Presentation
McCormic Place, Chicago, USA
Year and Date
2015-10-17 – 2015-10-22
Int'l Joint Research
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